36歳の若さで亡くなったジョルジュ・ビゼーですが、オペラ「カルメン」と劇音楽「アルルの女」という2大名曲のおかげで誰しもが知る存在となっています。ただ、他の作品については正直あまり知られているとは言えませんよね。今日ご紹介する交響曲もお世辞にもメジャーとは言えませんし。本作は現存するビゼー唯一の交響曲で何と17歳の時に作曲されたものだとか。まだビゼーが成功を収める前の作品ということもあり、生前は上演される機会もなく、死後も半世紀以上忘れ去られたままだったといういわくつきの曲です。ただ、完成度は決して低くなく、ロマン派の王道を行く実に明朗ですがすがしい交響曲です。曲は第2楽章のみが哀調を帯びたアダージョですが、他は全てアレグロの明るい曲調。何となくモーツァルトっぽささえ感じさせる古典風の第1楽章。エネルギッシュなスケルツォの第3楽章。きびきびした弦楽合奏が印象的な第4楽章。後のビゼー作品に見られるような濃厚な土臭さは感じられず、そこが若干物足りなくもありますが、一方でピュアな理想に燃える若きビゼーのストレートな情熱を感じることができる作品でもあります。

CDは小澤征爾指揮フランス国立管弦楽団のものを買いました。今ではすっかり白髪がトレードマークとなった世界のオザワですが、本盤では40代後半で脂の乗り切った頃の見事な演奏が収録されています。カップリングされているのは演奏会用序曲「祖国」と組曲「子供の遊び」。後者は以前UPした「アルルの女」にも入っていたので省略します。前者の「祖国」は文字通りビゼーが祖国フランスへの愛を謳った曲。行進曲風の第1主題、勝利の凱歌風の勇壮な第2主題と続き、中間部は一転して陰鬱な展開になりますが、その後牧歌的で美しい旋律が現れ、最後は再び勝利の主題が高らかに鳴り響き華々しいクライマックスを迎えます。こちらも隠れた名曲と言えるでしょう。

CDは小澤征爾指揮フランス国立管弦楽団のものを買いました。今ではすっかり白髪がトレードマークとなった世界のオザワですが、本盤では40代後半で脂の乗り切った頃の見事な演奏が収録されています。カップリングされているのは演奏会用序曲「祖国」と組曲「子供の遊び」。後者は以前UPした「アルルの女」にも入っていたので省略します。前者の「祖国」は文字通りビゼーが祖国フランスへの愛を謳った曲。行進曲風の第1主題、勝利の凱歌風の勇壮な第2主題と続き、中間部は一転して陰鬱な展開になりますが、その後牧歌的で美しい旋律が現れ、最後は再び勝利の主題が高らかに鳴り響き華々しいクライマックスを迎えます。こちらも隠れた名曲と言えるでしょう。