本日はロシア音楽の中から有名曲ばかりを集めた管弦楽作品集をご紹介したいと思います。ロシア音楽は人気のジャンルだけあり、いろんな指揮者がこの手のオムニバスを残していますが、私が買ったのはキリル・コンドラシン指揮RCAヴィクター交響楽団のCD。ソ連を代表する名指揮者だった彼が冷戦真っただ中の1958年にアメリカを訪問した際の貴重な録音です。収録曲はハチャトゥリアン「仮面舞踏会」、カバレフスキー「道化師」、チャイコフスキー「イタリア奇想曲」、リムスキー=コルサコフ「スペイン奇想曲」の4曲です。うち「仮面舞踏会」は以前にハチャトゥリアンのラザレフ盤でUPしましたのでここでは省略します。
まず、ドミトリー・カバレフスキーから。ショスタコーヴィチとほぼ同年代の作曲家で、ソ連の共産主義体制下で大成功を収めた人物です。と書くと何だか構えてしまいがちですが、作風的には平易でわかりやすいのが特徴で、重厚な交響曲を多く残したショスタコーヴィチとは対照的です。組曲「道化師」は彼の代表作で、15分余りの短い作品ですが、その中でテーマごとに10もの小曲が収められています。どれも思わず口ずさむような親しみやすい曲ばかりですが、特に運動会のBGMでも有名な「道化師のギャロップ」、甘美な旋律の「抒情的小シーン」、賑やかな終曲「エピローグ」が秀逸です。
残りは時代が遡って帝政ロシア時代の名作曲家の2つの作品。どちらも南ヨーロッパのイタリアとスペインを題材にした奇想曲(カプリッチョ)です。極寒の国ロシアだと、やはり暖かい南欧の国に憧れるものなんでしょうかね?うちチャイコフスキーの「イタリア奇想曲」は作曲者がイタリア滞在時に着想を得て作られた曲です。前半部分は重々しいですが、中間部は陽気なイタリア民謡風の旋律が次々と現れ、華やかなフィナーレへと進んで行きます。ラテン情緒が色濃いという点でチャイコフスキーにしては異色の作品ですね。一方、「スペイン奇想曲」はリムスキー=コルサコフにとってかの「シェエラザード」と並ぶ代表作ですが、作曲者自身がスペインを訪れたわけではなくイメージだけで作られた曲です。ただ、内容は素晴らしく、活気に満ちた舞曲「アルボラーダ」、ホルンと弦楽合奏があまりにも美しい旋律を奏でる「夕べの踊り」、フラメンコ調のエキゾチックな「ジプシーの歌」、そしてフィナーレを飾る情熱の舞曲「ファンダンゴ」と、15分余りの中に宝石箱のように魅力的な旋律が詰まった名曲中の名曲です。
まず、ドミトリー・カバレフスキーから。ショスタコーヴィチとほぼ同年代の作曲家で、ソ連の共産主義体制下で大成功を収めた人物です。と書くと何だか構えてしまいがちですが、作風的には平易でわかりやすいのが特徴で、重厚な交響曲を多く残したショスタコーヴィチとは対照的です。組曲「道化師」は彼の代表作で、15分余りの短い作品ですが、その中でテーマごとに10もの小曲が収められています。どれも思わず口ずさむような親しみやすい曲ばかりですが、特に運動会のBGMでも有名な「道化師のギャロップ」、甘美な旋律の「抒情的小シーン」、賑やかな終曲「エピローグ」が秀逸です。
残りは時代が遡って帝政ロシア時代の名作曲家の2つの作品。どちらも南ヨーロッパのイタリアとスペインを題材にした奇想曲(カプリッチョ)です。極寒の国ロシアだと、やはり暖かい南欧の国に憧れるものなんでしょうかね?うちチャイコフスキーの「イタリア奇想曲」は作曲者がイタリア滞在時に着想を得て作られた曲です。前半部分は重々しいですが、中間部は陽気なイタリア民謡風の旋律が次々と現れ、華やかなフィナーレへと進んで行きます。ラテン情緒が色濃いという点でチャイコフスキーにしては異色の作品ですね。一方、「スペイン奇想曲」はリムスキー=コルサコフにとってかの「シェエラザード」と並ぶ代表作ですが、作曲者自身がスペインを訪れたわけではなくイメージだけで作られた曲です。ただ、内容は素晴らしく、活気に満ちた舞曲「アルボラーダ」、ホルンと弦楽合奏があまりにも美しい旋律を奏でる「夕べの踊り」、フラメンコ調のエキゾチックな「ジプシーの歌」、そしてフィナーレを飾る情熱の舞曲「ファンダンゴ」と、15分余りの中に宝石箱のように魅力的な旋律が詰まった名曲中の名曲です。