ハードバピッシュ&アレグロな日々

CD(主にジャズ・クラシック)の感想を書き留めます

ジェリー・マリガン/ジェル

2014-03-27 23:28:02 | ジャズ(クールジャズ)

本日はモダンジャズを代表するバリトンサックス奏者ジェリー・マリガンの作品をご紹介しましょう。40年代から活躍し、マイルス・デイヴィスの「クールの誕生」にも参加。50年代にはチェット・ベイカーらとともにウェストコーストジャズの第一人者として名を馳せたビッグネームです。ただ、個人的にはあまり馴染みがないというか、これまでに何枚かリーダー作を聴いたことはあるのですが魅力を感じませんでした。大きな理由はマリガンの作品が基本ピアノレスだということ。有名な「ナイト・ライツ」もそうですが、リズムセクションがベースとドラムのみで、他に管楽器が加わるという編成の作品がほとんどなのです。そこには彼なりのこだわりがあるのでしょうが、私の嗜好からは外れますね。



そんなマリガンもピアノ入り作品を何枚か残しており、そのうちの一つが1962年コロンビア盤の本作「ジェル」。トミー・フラナガン(ピアノ)、ベン・タッカー(ベース)、デイヴ・ベイリー(ドラム)、アレック・ドーシー(コンガ)のリズムセクションから成るクインテット編成です。注目は何と言ってもモダンジャズ界最高のピアニストであるフラナガンのプレイ。決して派手ではないものの、的確なバッキングとメロディアスなソロで演奏にアクセントを付けてくれます。う~ん、やっぱりどう考えてもピアノレスよりこっちの方が良いですよね。もちろんマリガンのプレイも素晴らしく、低音楽器であるバリトンをテナーやアルトのように軽快に吹き鳴らす様は圧巻です。全7曲、どれも水準以上の出来ですが、ラテンムードの“Capricious”、ミディアムテンポのスタンダード“Here I'll Stay”“You've Come Home”が特にお薦めです。

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