昨日のパーカーに続き、本日もモダンジャズを代表するアルト奏者であるジャッキー・マクリーンを取り上げたいと思います。パーカーほどのカリスマ性はありませんし、アート・ペッパーのような天才肌でもありませんが、とにかく作品数が多いのがマクリーンの長所で、特にハードバップの名門であるプレスティッジとブルーノートに多くのリーダー作を残しました。60年代には時流に乗っかってフリージャズっぽいことをやったりもしていましたが、ジャズファンにお馴染みなのはやはりバリバリのハードバッパーだった50年代のマクリーンで、独特の哀調を帯びた“泣きのアルト”がトレードマークです。本作「マクリーンズ・シーン」はプレスティッジの傍系レーベルであるニュージャズに1956年から1957年に吹きこまれたもので、プレスティッジ時代の代表作である「4,5&6」や「ジャッキーズ・パル」に比べるとマイナーですが、なかなか良質なハードバップ作品です。
この頃のマクリーンはピアニストにマル・ウォルドロンを起用することが多く、本作でも1957年2月録音の3曲はマル、アーサー・フィップス(ベース)、アート・テイラー(ドラム)をバックに従えたワンホーン・カルテットです。ただ、こちらの出来は正直イマイチ。スタンダードの“Our Love Is Here To Stay”“Old Folks”を演奏していますが、選曲もベタですし、演奏も平凡です。あえて言うならラストトラックの急速調バップ“Outburst”でパーカーの影響を感じさせるアドリブを披露するぐらいですかね。本作の聴き所はそれより2ヶ月前の1956年12月に吹きこまれたセッションの方です。こちらはビル・ハードマン(トランペット)、レッド・ガーランド(ピアノ)、ポール・チェンバース(ベース)、アート・テイラー(ドラム)とのクインテットで、曲・演奏とも最高です。特にアップテンポに料理されたスタンダードの“Gone With The Wind”とマクリーンの自作のブルース“McLean's Scene”はこのアルバムのハイライトで、どちらも当時ナンバーワン・ピアニストの1人だったレッド・ガーランドが目の覚めるようなピアノソロを聴かせてくれます。また、当時マクリーンとジャズ・メッセンジャーズで同僚だったビル・ハードマンも熱いトランペットを聴かせてくれます。“McLean's Scene”でのハードマンとマクリーンのチェイスはなかなかスリリングですね。マクリーンとガーランドの組み合わせは非常にレアで(たぶん他にはないはず)、似たようなフォーマットが多いこの時期のマクリーンのカタログの中でも異彩を放っている作品と言えるでしょう。
この頃のマクリーンはピアニストにマル・ウォルドロンを起用することが多く、本作でも1957年2月録音の3曲はマル、アーサー・フィップス(ベース)、アート・テイラー(ドラム)をバックに従えたワンホーン・カルテットです。ただ、こちらの出来は正直イマイチ。スタンダードの“Our Love Is Here To Stay”“Old Folks”を演奏していますが、選曲もベタですし、演奏も平凡です。あえて言うならラストトラックの急速調バップ“Outburst”でパーカーの影響を感じさせるアドリブを披露するぐらいですかね。本作の聴き所はそれより2ヶ月前の1956年12月に吹きこまれたセッションの方です。こちらはビル・ハードマン(トランペット)、レッド・ガーランド(ピアノ)、ポール・チェンバース(ベース)、アート・テイラー(ドラム)とのクインテットで、曲・演奏とも最高です。特にアップテンポに料理されたスタンダードの“Gone With The Wind”とマクリーンの自作のブルース“McLean's Scene”はこのアルバムのハイライトで、どちらも当時ナンバーワン・ピアニストの1人だったレッド・ガーランドが目の覚めるようなピアノソロを聴かせてくれます。また、当時マクリーンとジャズ・メッセンジャーズで同僚だったビル・ハードマンも熱いトランペットを聴かせてくれます。“McLean's Scene”でのハードマンとマクリーンのチェイスはなかなかスリリングですね。マクリーンとガーランドの組み合わせは非常にレアで(たぶん他にはないはず)、似たようなフォーマットが多いこの時期のマクリーンのカタログの中でも異彩を放っている作品と言えるでしょう。