ハードバピッシュ&アレグロな日々

CD(主にジャズ・クラシック)の感想を書き留めます

サン=サーンス/チェロ協奏曲第1番 & チャイコフスキー/ロココ風の主題による変奏曲 他

2012-02-25 09:58:03 | クラシック(協奏曲)
ヴァイオリンの名曲探しが終わったわけではありませんが、たまには趣向を変えてチェロも聴いてみましょう。と言ってもチェロは曲の絶対数がピアノやヴァイオリンに比べて少ない。一応、3大チェロ協奏曲というのがあって、ドヴォルザーク、ハイドン、シューマンらしいのですが私はドヴォルザークしか持ってませんし・・・



結局、チェロ作品がいっぱい入ってるCDを買いました。選んだのはハンナ・チャンのチェロ、ムスティスラフ・ロストロポーヴィチ指揮ロンドン交響楽団のCDです。このCDはサン=サーンスのチェロ協奏曲第1番、チャイコフスキーの「ロココ風の主題による変奏曲」、フォーレの「エレジー」、ブルッフの「コル・ニドライ」とチェロの名曲が4つも入っていて超お買い得です。

まずサン=サーンスのチェロ協奏曲ですが、19分強の小品ながら叙情性たっぷりの名曲でしょう。特に冒頭に出てくる主題が壮麗で、全編を支配する基調のメロディとなります。軽快なワルツ風の中間部を経て再び冒頭の主題に戻って終わり。

チャイコフスキーの「ロココ風の主題による変奏曲」は、その名のとおり中世のロココ時代をイメージした古風な曲。一般的にイメージするチャイコフスキーのイメージとは異なる明るい曲調です。8つの変奏で急速調からスローなアンダンテまで様々なテンポで演奏されますが、主題となる旋律はほぼ一緒で実に優しいというか可愛らしいメロディです。

次いで「レクイエム」で有名なフォーレが残した「エレジー」。元々ピアノ伴奏用に書かれた作品ですが、ここではオーケストラ付きで演奏されています。elegieの和訳「哀歌」そのままに哀愁たっぷりの旋律が切々と奏でられます。ちと暗いですが、時折ハッとする美しさが感じられます。

最後がブルッフの「コル・ニドライ」。以前彼のヴァイオリン協奏曲と「スコットランド幻想曲」を紹介した際に、そのメロディの美しさを絶賛しましたが、チェロ曲の本作も実に素晴らしい。前半はチェロらしく重苦しいイメージが支配的ですが、後半ハープの伴奏が入ってくるあたりからうっとりするような優美なメロディが最後まで続きます。ブルッフは他に有名な作品がありませんが、それが不思議なくらいこれまで聴いた3曲とも名曲です。

以上のように非常に充実した内容のCDなのですが、さらに驚くのが録音当時のハンナ・チャンの年齢で、なんと13歳だったそうです。愛らしいルックスからは想像もできませんが、深く豊潤なチェロの音色に圧倒されます。

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