弘南バス3題。
●土曜日の扱い
1年前に取り上げたように、弘南バスでは、毎年4月と12月にダイヤ改正を行っている。
夏ダイヤと冬ダイヤを区分しているもので、ほぼ毎回、同じ内容の変更が行われる。冬の遅延や増客の増加に対応しているものだと考えられる。
やはり、雪国では冬対応のダイヤをやったほうが、客にとってもバス会社にとっても、不安や不満が少なくて済むと思う。例え雪が少なくて“空振り”に終わったとしても。秋田でも、やってはどうだろうか…
2016年4月からのダイヤが告知された。
おおむね恒例の変更のようだが、大きな変化がある。
曜日別のダイヤ区分が、これまで「平日(土曜を含む)/日祝」だったのが、「平日/土日祝」に変更となる。基本的に休日ダイヤのほうが便数が少ないので、土曜日に運行される本数が減ることになる。
ただし、ごく一部の路線は、従来通り土曜も平日に含まれる。
休日ダイヤで運休になる本数そのものは、大きな変化はない。
「金木線」という五所川原エリアのローカル線(五所川原中心部には来ない)だけは、これまでは日曜も全便運行(上下計8本)されていたのが、全便とも土日祝運休となる。
弘南バスの休日ダイヤは、平日ダイヤの一部の便に印を付け、それを間引いて休日運休としている。
秋田の中央交通の一部路線が何年か前まで、秋田市交通局が1988(昭和63)年度まで実施していた方式。
秋田市交通局では、1993年度から土曜日が休日ダイヤでの運行となった。当時は、公立学校は第2・4土曜以外は休みでなかったため、その下校時刻だけ運行される便が設定された。
現在では、学校も企業も総合病院の外来診療も、多くが週休二日制となった。何よりも、土曜日のバスの利用実態は、平日よりも日祝日に近いと感じる。
だから、土曜を休日に組み入れる(平日と分離する)のは当然であり、弘南バスではずいぶんと遅かったと感じてしまった。
平日と土日で完全に別立てのダイヤ体制となっている現在の秋田市のバスでは、平日と比べて休日の減便が著しい。ダイヤ改正の度に拍車がかかっていて、主要系統の1つ・牛島方面の下りを例に取れば、昨秋の改正後は、平日67本に対して土日31本と、平日の半分以下しか運行されない。
一方、弘前の実際のダイヤを見ると、休日ダイヤで減便される本数はあまり多くない。
弘前市内で休日に全便運休となるのは、神田線くらい。金属団地経由桜ヶ丘線は下り7本・上り8本が間引かれ、昼間でも1時間に1本のところが出るのがちょっと多い部類。学園町線は朝と午後が多めに間引かれるが、附属学校の通学需要だから当然。むしろ今まで土曜の運行が無駄だったような。
あとは、各路線とも2~3往復、数時間に1本程度が間引かれる感じ。
分かりにくいのは、郊外方面の一部路線では、従来通り土曜日が平日扱いだったり、土日運休と日曜のみ運休の便が混在すること。地域ごとの特殊な需要に対応しているのだろう。
配布用時刻表では赤文字と青文字で区別しているが、土曜日に利用する時は気をつけないといけない。
※1993年に秋田市で区分が変更された時は、実際に、勘違いして土曜日に来ないバスを待った経験があった。そういう人は少なくないはずなので…
【28日追記】青森市営バスでは既に土曜は休日ダイヤ。五所川原方面から青森市に乗り入れる弘南バスは、従来は土曜は平日ダイヤだったのが統一されることになる。(黒石-青森線は休日運休便なし)
※秋田の羽後交通も、弘南バスと似たような状況であった。
あとは、少なくとも21年前からずっと同じはずだった、配布用(=ホームページ掲載用)時刻表のデザインが変わった。
(再掲)従来の時刻表
従来は、紺色と赤色の2色刷りだったのが、フルカラー印刷になったようで、時刻表部分は黒と赤と青を使っている。上記、土日祝運休と日祝運休を色で区別できるようにだろう。
ほかに、路線名表示の地色が赤から紺に、ターミナルと駅の乗り場表記が上部から下部に移るといった、若干の変化がある。
城東環状バスとためのぶ号は従来のものを流用しているので、そのページは新旧デザインが混在。
●バス停別時刻表
弘南バスのホームページにアップされた時刻表では、始発・終点とごく一部の主要停留所の時刻しか分からなかった。
秋田の中央交通では、検索システムがあって、秋田市内ならすべての停留所の時刻が分かる。ただし、少々クセのあるシステムで、コツというかある程度の予備知識がないと使いこなせず、それはそれで問題に感じていた。
他地域の一部のバス会社では、停留所に掲出されているのと同じ内容の時刻表を見ることができるが、両社ではできない。結局のところ、それがいちばん必要とされる時刻表なのに。
検索していたら、弘南バスでも、それができることを知った。
http://bustime.jp/k/
弘南バス自体がやっているのではなく、「非営利活動法人青森ITSクラブ」によるもの。
携帯電話対応のシンプルなものだが、使いやすい。某中央交通のような見栄えにこだわったものなどより、ずっといい。
「試験運用中ですので、参考情報としてお使いください。」とあるが、現行(冬ダイヤ)に対応している。
バス停の頭文字を入力→バス停を選択→行き先を選択→時刻表が表示という、3ステップ。
行き先別の表示になってしまうので、例えば富田大通り経由の下りは、学園町、小栗山、狼森、自衛隊などと別々になってしまうのは難ではある。(逆に、松原や三中校などから弘前駅へ行くのは、富田大通り経由と本数が少ない松森町経由が同時に確認できて便利)
こういうのが秋田市でもほしい。
●ひろちゃん
弘南バスのホームページに「ひろちゃんで行く『城下町弘前めぐりの旅』 」というツアーの募集がアップされていた。
「ひろちゃん」って?
見ると、あの、元弘前大学農学生命科学部の自家用バスを譲り受けた、国内に3台しか現存しない、1980年製のバス「日野RE101」のこと。
いつの間にか「ひろちゃん」という愛称が付けられていた。
由来は「弘前」なんだろうか。覚えやすいといえばそうだけど、短絡的というか、あまりイメージに合わないというか…
ちなみに、ツアーは、弘前市内のガイド付き日帰りツアー。昼食弁当や座禅体験、拝観料込み、青森または弘前発で6900円。
青森からの人は、弘前市内まで片道1時間半ほど、RE101に乗ることになる。
国道7号線をRE101で走るのは、愛好家にはたまらないだろう。ただ、弘前市内の観光や座禅はたまったもんじゃないかも?
一方、弘前観光や座禅目的の人には、貴重なバスも、古くて少々窮屈な(リクライニングはないし、夏は冷房もない)バスでしかないだろう。
せっかくのRE101に、もうちょっとふさわしい活躍の場がないものだろうか。
●土曜日の扱い
1年前に取り上げたように、弘南バスでは、毎年4月と12月にダイヤ改正を行っている。
夏ダイヤと冬ダイヤを区分しているもので、ほぼ毎回、同じ内容の変更が行われる。冬の遅延や増客の増加に対応しているものだと考えられる。
やはり、雪国では冬対応のダイヤをやったほうが、客にとってもバス会社にとっても、不安や不満が少なくて済むと思う。例え雪が少なくて“空振り”に終わったとしても。秋田でも、やってはどうだろうか…
2016年4月からのダイヤが告知された。
おおむね恒例の変更のようだが、大きな変化がある。
曜日別のダイヤ区分が、これまで「平日(土曜を含む)/日祝」だったのが、「平日/土日祝」に変更となる。基本的に休日ダイヤのほうが便数が少ないので、土曜日に運行される本数が減ることになる。
ただし、ごく一部の路線は、従来通り土曜も平日に含まれる。
休日ダイヤで運休になる本数そのものは、大きな変化はない。
「金木線」という五所川原エリアのローカル線(五所川原中心部には来ない)だけは、これまでは日曜も全便運行(上下計8本)されていたのが、全便とも土日祝運休となる。
弘南バスの休日ダイヤは、平日ダイヤの一部の便に印を付け、それを間引いて休日運休としている。
秋田の中央交通の一部路線が何年か前まで、秋田市交通局が1988(昭和63)年度まで実施していた方式。
秋田市交通局では、1993年度から土曜日が休日ダイヤでの運行となった。当時は、公立学校は第2・4土曜以外は休みでなかったため、その下校時刻だけ運行される便が設定された。
現在では、学校も企業も総合病院の外来診療も、多くが週休二日制となった。何よりも、土曜日のバスの利用実態は、平日よりも日祝日に近いと感じる。
だから、土曜を休日に組み入れる(平日と分離する)のは当然であり、弘南バスではずいぶんと遅かったと感じてしまった。
平日と土日で完全に別立てのダイヤ体制となっている現在の秋田市のバスでは、平日と比べて休日の減便が著しい。ダイヤ改正の度に拍車がかかっていて、主要系統の1つ・牛島方面の下りを例に取れば、昨秋の改正後は、平日67本に対して土日31本と、平日の半分以下しか運行されない。
一方、弘前の実際のダイヤを見ると、休日ダイヤで減便される本数はあまり多くない。
弘前市内で休日に全便運休となるのは、神田線くらい。金属団地経由桜ヶ丘線は下り7本・上り8本が間引かれ、昼間でも1時間に1本のところが出るのがちょっと多い部類。学園町線は朝と午後が多めに間引かれるが、附属学校の通学需要だから当然。むしろ今まで土曜の運行が無駄だったような。
あとは、各路線とも2~3往復、数時間に1本程度が間引かれる感じ。
分かりにくいのは、郊外方面の一部路線では、従来通り土曜日が平日扱いだったり、土日運休と日曜のみ運休の便が混在すること。地域ごとの特殊な需要に対応しているのだろう。
配布用時刻表では赤文字と青文字で区別しているが、土曜日に利用する時は気をつけないといけない。
※1993年に秋田市で区分が変更された時は、実際に、勘違いして土曜日に来ないバスを待った経験があった。そういう人は少なくないはずなので…
【28日追記】青森市営バスでは既に土曜は休日ダイヤ。五所川原方面から青森市に乗り入れる弘南バスは、従来は土曜は平日ダイヤだったのが統一されることになる。(黒石-青森線は休日運休便なし)
※秋田の羽後交通も、弘南バスと似たような状況であった。
あとは、少なくとも21年前からずっと同じはずだった、配布用(=ホームページ掲載用)時刻表のデザインが変わった。
(再掲)従来の時刻表
従来は、紺色と赤色の2色刷りだったのが、フルカラー印刷になったようで、時刻表部分は黒と赤と青を使っている。上記、土日祝運休と日祝運休を色で区別できるようにだろう。
ほかに、路線名表示の地色が赤から紺に、ターミナルと駅の乗り場表記が上部から下部に移るといった、若干の変化がある。
城東環状バスとためのぶ号は従来のものを流用しているので、そのページは新旧デザインが混在。
●バス停別時刻表
弘南バスのホームページにアップされた時刻表では、始発・終点とごく一部の主要停留所の時刻しか分からなかった。
秋田の中央交通では、検索システムがあって、秋田市内ならすべての停留所の時刻が分かる。ただし、少々クセのあるシステムで、コツというかある程度の予備知識がないと使いこなせず、それはそれで問題に感じていた。
他地域の一部のバス会社では、停留所に掲出されているのと同じ内容の時刻表を見ることができるが、両社ではできない。結局のところ、それがいちばん必要とされる時刻表なのに。
検索していたら、弘南バスでも、それができることを知った。
http://bustime.jp/k/
弘南バス自体がやっているのではなく、「非営利活動法人青森ITSクラブ」によるもの。
携帯電話対応のシンプルなものだが、使いやすい。某中央交通のような見栄えにこだわったものなどより、ずっといい。
「試験運用中ですので、参考情報としてお使いください。」とあるが、現行(冬ダイヤ)に対応している。
バス停の頭文字を入力→バス停を選択→行き先を選択→時刻表が表示という、3ステップ。
行き先別の表示になってしまうので、例えば富田大通り経由の下りは、学園町、小栗山、狼森、自衛隊などと別々になってしまうのは難ではある。(逆に、松原や三中校などから弘前駅へ行くのは、富田大通り経由と本数が少ない松森町経由が同時に確認できて便利)
こういうのが秋田市でもほしい。
●ひろちゃん
弘南バスのホームページに「ひろちゃんで行く『城下町弘前めぐりの旅』 」というツアーの募集がアップされていた。
「ひろちゃん」って?
見ると、あの、元弘前大学農学生命科学部の自家用バスを譲り受けた、国内に3台しか現存しない、1980年製のバス「日野RE101」のこと。
いつの間にか「ひろちゃん」という愛称が付けられていた。
由来は「弘前」なんだろうか。覚えやすいといえばそうだけど、短絡的というか、あまりイメージに合わないというか…
ちなみに、ツアーは、弘前市内のガイド付き日帰りツアー。昼食弁当や座禅体験、拝観料込み、青森または弘前発で6900円。
青森からの人は、弘前市内まで片道1時間半ほど、RE101に乗ることになる。
国道7号線をRE101で走るのは、愛好家にはたまらないだろう。ただ、弘前市内の観光や座禅はたまったもんじゃないかも?
一方、弘前観光や座禅目的の人には、貴重なバスも、古くて少々窮屈な(リクライニングはないし、夏は冷房もない)バスでしかないだろう。
せっかくのRE101に、もうちょっとふさわしい活躍の場がないものだろうか。