5月からの新元号は「令和」に決まった。※平成への改元時の思い出
NHKに出ていたしょこたんも言っていたけど「令」は、事前予想でもほぼ出ていなかったようで、目新しい。ら行で始まることと合わせて、斬新に感じた。
「ご令嬢」の「令」に「和」、出典が万葉集と、品があって落ち着きがあるような印象がする。
一方、「昭和」に通じるような(賛否あるかもしれないですが)響きもあって、平成の時ほどの違和感はない気もする。今回は改元することの事前の“周知期間”が長かったし、自身2度目の改元ということもあるけど。
明治大正昭和平成令和と続けた時のリズム感もいい。
「新元号 令和」の張り紙
良い元号だと思う。令和の世が、良い世の中であることを願います。
以下、恒例の些細ないろいろ。
冒頭の「新元号 令和」の掲示は、
午後のイオン土崎港店
秋田市土崎のイオンでは、店の入口各所にこの紙を張り出していた。この店、先日は発煙騒ぎがあったけれど、昭和から3時代にわたって営業することになる。
令和に決まったことは、既に知っている人が多いかもしれないけれど、周知とお祝いの意味では、いいかも。
全国的にイオンでは、他にも掲示した店があったようだが、イオン系でも秋田駅前のオーパ、その他フォンテ、西武、木内、JR秋田駅などの前には、別段なさそうだった。【追記】2日時点ではイオン秋田中央店にも掲示はなかった。
関東のイオンでは、記念割引券を配ったそうだけど、それは秋田ではなさそう。
菅内閣官房長官の発表は、皇居での手続きの関係で、予定より11分ほど遅れた11時41分であった。
そのテレビ中継について。NHKを発表の前10分ちょっとから発表直後までしか見ていないので、その限りで。
民放各局もそのようだったが、専門家などゲストを招いて、平成を振り返るなどの前座があったようだ。生前退位のおかげで明るい雰囲気だけど、余計なものが多いとも言える。
NHKは平成の時は、緊急ニュース扱いでテレビ・ラジオ同時放送だったと思われるが、今回は別々。
NHKのラジオは野村正育アナウンサーとゲスト(番組表より)。
テレビは、瀧川剛史アナウンサー(3月までニュース7サブ、4月から同メイン)、岩田明子解説委員、それに中川翔子、さらによく知らないゲスト。
「臨時ニュース」と呼ぶべき番組にしょこたんが出るとは、すごい。
よく知らないゲストが、「平成の時は、新元号も大事なことではあったものの、こんなに注目されなかった」的なコメントをしていたが、それは違う。以前の記事の通り、平成も令和も、僕はドキドキして見守りましたよ。
菅官房長官の発表は、小渕氏による平成発表の時と、全体の手順としてはきわめて似ていた。(見る側としても、事前に予習しておいてよかった)
違いとしては、座るか立つか、手話通訳がいるか等々。当然ながら、全体として今回のほうがずっと手際が良かった。
重大アイテムである書の額。平成の時は、紙箱に入ったのを紙袋に入れていたのか、ガサゴソやっていた。小渕氏は、額の文字を見せないように、とても慎重に扱っていたのは印象的だった。
今回は、額が持ちこまれる流れがスムーズだった。
ただ、菅氏の置き方はいただけない。小渕氏ほど気を遣っていたようには感じられなかった。
NHKより
上の写真は発表直前。右から額を渡され、机上に伏せて置こうとしているシーン。
額の上部をこちらに向けて浮かせて持っているので、文字が見えてしまっている。
拡大
リアルタイムで見ていた僕は、「令」が「分」に見えてしまい、「 『分なんとか』か?!」と思ってしまった。
4K8Kでなくてもフルハイビジョンの大画面テレビなら、発表前のこの場面で「令和」だと分かってしまったかもしれない。
カメラのアングルや、前回と違って立っていたこともあるとは思うが、もっと慎重に扱うべきだったかも。
といっても、それから7秒ほどで発言により「れいわ」であること、さらに3秒ほどで額が示されて「令和」の文字も明らかにされた。置く時にフライングで知ることができたとしても、たった10秒。
会見場の左側には、手話通訳者がいて、NHKでは画面左・時刻の下にワイプで表示。
その結果、
新元号が隠れてしまった
これはNHKの失敗。平成の時と同じく、向かって左側に掲げたのだから、こうなることは予想できた。ワイプ位置かカメラワークを工夫すれば回避できたのに。
その後、画面上部にテロップ。
新元号は「令和」 官房長官が発表
ラムダシステムズの「マール体」というフォントだそうで、ニュース速報の扱いのようだ(「NHKニュース速報」のタイトルや、サイン音は出なかった)。
平成の時はこのようなものは出なかった。当時は、技術的に難しかったせいもあるし、「臨時ニュースを放送している最中に、その内容に関してのニュース速報を重複して入れる」という習慣がなかった。
ここ10年ちょっとだと思うが、例えば大相撲中継とか高校野球中継の最中に、重ねてニュース速報で「大相撲××場所は○○が優勝」と速報するようになってしまった。見ていれば分かることだし、(今回はなかったが)速報のタイトルを見て、何か別に重大事件でもあったのかと、無駄に身構えてしまうので、やめてほしい。
それにしても早かった。額を掲げてから字幕が出るまで、5秒(額を置く時のフライングを見たとしても15秒)。
あらかじめ文章を作っておいて、元号2文字だけを入力したのだろうけど、辞書登録されていない読みで、誤変換は許されないから、緊張したことでしょう。
その9秒後=額が示されてから14秒。画面下にテロップ。
新元号は「令和」
これは速報でなく、ニュース番組としての字幕。
派手な毛筆立体文字にでもなるかと思ったが、普通のゴシック体(フォントワークス「ニューロダン」シリーズ)。元号部分はふりがな付きで赤文字。
ただ、バー状の背景の両端に、細かい金色の四角い粒(?)がきらきら飛んでいる。
強いて言えば、「れいわ」のふりがなは、「令」に対して「れい」、「和」に対して「わ」でなく、均等に振っているのが気になる。そういう手法もあるけれど。
平成の時は、額提示から字幕表示まで30秒かかったから、令和では半分以下に短縮された。写植からコンピューターへ、30年の変化の成果。
でも、5秒のニュース速報と比べると、ちょっと時間がかかった。ふりがなの手間?
瀧川アナが「平成に代わる新しい元号は、令和に決まりました。」とナレーション。
平成の時は、ラジオと同時だったためか「平和の平、成功の成。平成です」と文字の説明があったが、今回はなかった。
その頃、NHKのラジオでは「ネンレイのレイに、平和の和」と説明してしまったらしく、「齢和??」と思ってしまった聴取者が多数いた模様。後の訂正で「命令の令、令を下すの令」としたそうだ。「命令」というのも言葉のイメージとしてちょっとかな。令嬢、令室とかだと伝わりにくいし。
平成は例えやすい漢字だったから良かったけど、「令」だと、誰にも伝わってかつイメージが良いうまい熟語や訓読みがなかったから、お気の毒。
期待した「ピンポンパン…」のチャイムは鳴らなかった。
ゲストもいたのに、発表の瞬間のその反応をワイプで映し出すということもなかった。NHKニュースの流儀なんでしょうけど、ゲストとして呼んだ以上は見てみたかった。
テレビについては以上。
戻って、「令和」の額の「令」の文字について1点。
令の下、最後の2画が「卩」のようになっている。
書道にはいろいろな書き方あって、それでいいのでしょう。活字体もそうなっている。
一方、教育現場で教えられる「令」は「卩」ではなく、「マ」となっている。活字でも教科書体や、学参書体ではそうなっている。冒頭のイオンの掲示もマ。
この額の書の影響で、「卩」で書いてしまう子どもが増えてしまわないか心配。
試験で「卩」と書いて、それでも間違いでないとされればいいけれど、誤答扱いにされたらかわいそう。「冷」など、同じパーツの他の漢字学習にも影響しかねない。教科書体や学参書体まで作って配慮しているというのに。
元号に使う漢字は、常用漢字の範囲内だったか、誰でも知る漢字にすることが条件だったはず。発表時には、標準の字体で書くことを配慮するべきだったのでは。
書いた人にしてみれば、ただでさえプレッシャーの中、直前までどの文字になるか知らずに、短時間で「令和」を書けと言われたわけで、こう書くしかなかったのかもしれないけれど。
ところで、元号の各漢字は小学何年生で習うか。学習指導要領「学年別漢字配当表」より。
「令」:4年、「和」:3年、「平」:3年、「成」:4年、「昭」:3年
小学校中学年に集中しているのが興味深い。次の元号予想の参考になるかも。
ところで昭和の「昭」という漢字。昭和以外の場面では、あまり使うことがない。
歴史の学習では使いそうだけど、さらに何十年か経ち、3つ前・4つ前の元号になれば、小学校で習う漢字(通称・教育漢字)から外されてしまうかもしれない。
※俵、蚕など、こんにちではあまり使わない漢字でも、今なお教育漢字に含まれているものもあるにはある。
前回も触れた、電子機器のかな漢字変換システムの対応状況。
各自で単語登録したり、学習機能で覚えさせる手もあるが、どうせなら変換キーで一発で「令和」にしたい。
平成改元時に主流だったワープロ専用機では、おそらくどの機種もバージョンアップ・アップデートという概念はなく、製造後に途中で変換辞書を書き換えることはできなかったと思う。「平静」しか出ないまま、使い続けた。
ところが今は、インターネットにつながったパソコンやスマートフォンの時代。途中で辞書のアップデートがあったり、意識しなくても新たな単語や用例を拾ってくる(仕組みがよく分からない)ようになった。
ジャストシステムのATOKでは、4月18日から令和対応アップデートモジュールを配布。
いつの間にか、勝手に用例が更新されている(?)、Google日本語入力は、WindowsもAndroidも、今のところ変換できない。
Google日本語入力Windows版
「らいねん」で変換しても「平成32年」。
令和の陰で存在感が薄かったけど、今日から新年度(ネット上のエイプリルフールも今年は静かだった)。
今年度・2019年度=「令和元年度」、ではない。
4月の現段階ではまだ「平成31年」だから、「平成31年度」。各機関のホームページでも「平成31年度 入学式」などとしている。
問題は5月以降。おそらく、5月以降も、年度としては平成31年度であって、令和元年度は存在しないということになるかと思う。
昭和から平成の時は、昭和63年度は平成元年3月まで、平成元年4月から平成元年度。昭和64年度は存在しないが、そもそも4月の時点で昭和64年ではなかった。改元が1月だったことで、その辺はきれいに移行できていた。
今回は多少混乱するかも。
勘違いして「令和元年度」とやってしまう人や組織も出そうだけど、それは間違いなのか、それぞれの判断として許容されるのか。国が指針を示してもいいと思う。
【3日追記】国の平成31年度予算については、5月以降「令和元年度予算」とするらしい。じゃあ、令和元年度が存在するの???
あと、令和の最初の年を「1年」とするか「元年」とするか。
平成の時は元年が圧倒的多数だった。日付スタンプや通帳印字などは「1」年表記だったけど。
これは戸籍や登記の現場に対して、「新元号の初年は「平成元年」と記載する。」とする通達を法務省が出したのが、拡大解釈されたせいのようだ。「1年」がダメな理由は考えつかないから、制限がない場面ではどちらでもいいはず。
組織にはそれぞれの都合で統一する必要はあるだろうけど、少なくとも個人で表記する分には、令和元年でも令和1年でも、どちらも正しいと言えよう。【2日補足・役所への提出書類では「元年」と書くように指導されたり、「1年」と書くと役所の権限で修正される可能性がある。】
「元年」のほうが重みがあって座りがいい印象はするかな。ただ、略して書くのに「R元.5.1」とするのもヘンだから、そこは「R1.5.1」。センス良く使い分けましょう。
平成の時も令和の時も、どんな結果になっても、自分にはほぼ影響がないのに、まるで自分の一大事のように緊張した元号発表であった。
外国の人にしてみれば、西暦と別に年を振り、それがある時からリセットされるなんて、理解してもらえないか、とても不思議な風習のように見えてしまっているのでしょう。日本人としては、元号も悪くないものだと思えた、令和発表であった。
※続きはこちら。
※イオン土崎港店の表示や文字の書き方・パソコンでの対応についての続きはこちら。
NHKに出ていたしょこたんも言っていたけど「令」は、事前予想でもほぼ出ていなかったようで、目新しい。ら行で始まることと合わせて、斬新に感じた。
「ご令嬢」の「令」に「和」、出典が万葉集と、品があって落ち着きがあるような印象がする。
一方、「昭和」に通じるような(賛否あるかもしれないですが)響きもあって、平成の時ほどの違和感はない気もする。今回は改元することの事前の“周知期間”が長かったし、自身2度目の改元ということもあるけど。
明治大正昭和平成令和と続けた時のリズム感もいい。
「新元号 令和」の張り紙
良い元号だと思う。令和の世が、良い世の中であることを願います。
以下、恒例の些細ないろいろ。
冒頭の「新元号 令和」の掲示は、
午後のイオン土崎港店
秋田市土崎のイオンでは、店の入口各所にこの紙を張り出していた。この店、先日は発煙騒ぎがあったけれど、昭和から3時代にわたって営業することになる。
令和に決まったことは、既に知っている人が多いかもしれないけれど、周知とお祝いの意味では、いいかも。
全国的にイオンでは、他にも掲示した店があったようだが、イオン系でも秋田駅前のオーパ、その他フォンテ、西武、木内、JR秋田駅などの前には、別段なさそうだった。【追記】2日時点ではイオン秋田中央店にも掲示はなかった。
関東のイオンでは、記念割引券を配ったそうだけど、それは秋田ではなさそう。
菅内閣官房長官の発表は、皇居での手続きの関係で、予定より11分ほど遅れた11時41分であった。
そのテレビ中継について。NHKを発表の前10分ちょっとから発表直後までしか見ていないので、その限りで。
民放各局もそのようだったが、専門家などゲストを招いて、平成を振り返るなどの前座があったようだ。生前退位のおかげで明るい雰囲気だけど、余計なものが多いとも言える。
NHKは平成の時は、緊急ニュース扱いでテレビ・ラジオ同時放送だったと思われるが、今回は別々。
NHKのラジオは野村正育アナウンサーとゲスト(番組表より)。
テレビは、瀧川剛史アナウンサー(3月までニュース7サブ、4月から同メイン)、岩田明子解説委員、それに中川翔子、さらによく知らないゲスト。
「臨時ニュース」と呼ぶべき番組にしょこたんが出るとは、すごい。
よく知らないゲストが、「平成の時は、新元号も大事なことではあったものの、こんなに注目されなかった」的なコメントをしていたが、それは違う。以前の記事の通り、平成も令和も、僕はドキドキして見守りましたよ。
菅官房長官の発表は、小渕氏による平成発表の時と、全体の手順としてはきわめて似ていた。(見る側としても、事前に予習しておいてよかった)
違いとしては、座るか立つか、手話通訳がいるか等々。当然ながら、全体として今回のほうがずっと手際が良かった。
重大アイテムである書の額。平成の時は、紙箱に入ったのを紙袋に入れていたのか、ガサゴソやっていた。小渕氏は、額の文字を見せないように、とても慎重に扱っていたのは印象的だった。
今回は、額が持ちこまれる流れがスムーズだった。
ただ、菅氏の置き方はいただけない。小渕氏ほど気を遣っていたようには感じられなかった。
NHKより
上の写真は発表直前。右から額を渡され、机上に伏せて置こうとしているシーン。
額の上部をこちらに向けて浮かせて持っているので、文字が見えてしまっている。
拡大
リアルタイムで見ていた僕は、「令」が「分」に見えてしまい、「 『分なんとか』か?!」と思ってしまった。
4K8Kでなくてもフルハイビジョンの大画面テレビなら、発表前のこの場面で「令和」だと分かってしまったかもしれない。
カメラのアングルや、前回と違って立っていたこともあるとは思うが、もっと慎重に扱うべきだったかも。
といっても、それから7秒ほどで発言により「れいわ」であること、さらに3秒ほどで額が示されて「令和」の文字も明らかにされた。置く時にフライングで知ることができたとしても、たった10秒。
会見場の左側には、手話通訳者がいて、NHKでは画面左・時刻の下にワイプで表示。
その結果、
新元号が隠れてしまった
これはNHKの失敗。平成の時と同じく、向かって左側に掲げたのだから、こうなることは予想できた。ワイプ位置かカメラワークを工夫すれば回避できたのに。
その後、画面上部にテロップ。
新元号は「令和」 官房長官が発表
ラムダシステムズの「マール体」というフォントだそうで、ニュース速報の扱いのようだ(「NHKニュース速報」のタイトルや、サイン音は出なかった)。
平成の時はこのようなものは出なかった。当時は、技術的に難しかったせいもあるし、「臨時ニュースを放送している最中に、その内容に関してのニュース速報を重複して入れる」という習慣がなかった。
ここ10年ちょっとだと思うが、例えば大相撲中継とか高校野球中継の最中に、重ねてニュース速報で「大相撲××場所は○○が優勝」と速報するようになってしまった。見ていれば分かることだし、(今回はなかったが)速報のタイトルを見て、何か別に重大事件でもあったのかと、無駄に身構えてしまうので、やめてほしい。
それにしても早かった。額を掲げてから字幕が出るまで、5秒(額を置く時のフライングを見たとしても15秒)。
あらかじめ文章を作っておいて、元号2文字だけを入力したのだろうけど、辞書登録されていない読みで、誤変換は許されないから、緊張したことでしょう。
その9秒後=額が示されてから14秒。画面下にテロップ。
新元号は「令和」
これは速報でなく、ニュース番組としての字幕。
派手な毛筆立体文字にでもなるかと思ったが、普通のゴシック体(フォントワークス「ニューロダン」シリーズ)。元号部分はふりがな付きで赤文字。
ただ、バー状の背景の両端に、細かい金色の四角い粒(?)がきらきら飛んでいる。
強いて言えば、「れいわ」のふりがなは、「令」に対して「れい」、「和」に対して「わ」でなく、均等に振っているのが気になる。そういう手法もあるけれど。
平成の時は、額提示から字幕表示まで30秒かかったから、令和では半分以下に短縮された。写植からコンピューターへ、30年の変化の成果。
でも、5秒のニュース速報と比べると、ちょっと時間がかかった。ふりがなの手間?
瀧川アナが「平成に代わる新しい元号は、令和に決まりました。」とナレーション。
平成の時は、ラジオと同時だったためか「平和の平、成功の成。平成です」と文字の説明があったが、今回はなかった。
その頃、NHKのラジオでは「ネンレイのレイに、平和の和」と説明してしまったらしく、「齢和??」と思ってしまった聴取者が多数いた模様。後の訂正で「命令の令、令を下すの令」としたそうだ。「命令」というのも言葉のイメージとしてちょっとかな。令嬢、令室とかだと伝わりにくいし。
平成は例えやすい漢字だったから良かったけど、「令」だと、誰にも伝わってかつイメージが良いうまい熟語や訓読みがなかったから、お気の毒。
期待した「ピンポンパン…」のチャイムは鳴らなかった。
ゲストもいたのに、発表の瞬間のその反応をワイプで映し出すということもなかった。NHKニュースの流儀なんでしょうけど、ゲストとして呼んだ以上は見てみたかった。
テレビについては以上。
戻って、「令和」の額の「令」の文字について1点。
令の下、最後の2画が「卩」のようになっている。
書道にはいろいろな書き方あって、それでいいのでしょう。活字体もそうなっている。
一方、教育現場で教えられる「令」は「卩」ではなく、「マ」となっている。活字でも教科書体や、学参書体ではそうなっている。冒頭のイオンの掲示もマ。
この額の書の影響で、「卩」で書いてしまう子どもが増えてしまわないか心配。
試験で「卩」と書いて、それでも間違いでないとされればいいけれど、誤答扱いにされたらかわいそう。「冷」など、同じパーツの他の漢字学習にも影響しかねない。教科書体や学参書体まで作って配慮しているというのに。
元号に使う漢字は、常用漢字の範囲内だったか、誰でも知る漢字にすることが条件だったはず。発表時には、標準の字体で書くことを配慮するべきだったのでは。
書いた人にしてみれば、ただでさえプレッシャーの中、直前までどの文字になるか知らずに、短時間で「令和」を書けと言われたわけで、こう書くしかなかったのかもしれないけれど。
ところで、元号の各漢字は小学何年生で習うか。学習指導要領「学年別漢字配当表」より。
「令」:4年、「和」:3年、「平」:3年、「成」:4年、「昭」:3年
小学校中学年に集中しているのが興味深い。次の元号予想の参考になるかも。
ところで昭和の「昭」という漢字。昭和以外の場面では、あまり使うことがない。
歴史の学習では使いそうだけど、さらに何十年か経ち、3つ前・4つ前の元号になれば、小学校で習う漢字(通称・教育漢字)から外されてしまうかもしれない。
※俵、蚕など、こんにちではあまり使わない漢字でも、今なお教育漢字に含まれているものもあるにはある。
前回も触れた、電子機器のかな漢字変換システムの対応状況。
各自で単語登録したり、学習機能で覚えさせる手もあるが、どうせなら変換キーで一発で「令和」にしたい。
平成改元時に主流だったワープロ専用機では、おそらくどの機種もバージョンアップ・アップデートという概念はなく、製造後に途中で変換辞書を書き換えることはできなかったと思う。「平静」しか出ないまま、使い続けた。
ところが今は、インターネットにつながったパソコンやスマートフォンの時代。途中で辞書のアップデートがあったり、意識しなくても新たな単語や用例を拾ってくる(仕組みがよく分からない)ようになった。
ジャストシステムのATOKでは、4月18日から令和対応アップデートモジュールを配布。
いつの間にか、勝手に用例が更新されている(?)、Google日本語入力は、WindowsもAndroidも、今のところ変換できない。
Google日本語入力Windows版
「らいねん」で変換しても「平成32年」。
令和の陰で存在感が薄かったけど、今日から新年度(ネット上のエイプリルフールも今年は静かだった)。
今年度・2019年度=「令和元年度」、ではない。
4月の現段階ではまだ「平成31年」だから、「平成31年度」。各機関のホームページでも「平成31年度 入学式」などとしている。
問題は5月以降。おそらく、5月以降も、年度としては平成31年度であって、令和元年度は存在しないということになるかと思う。
昭和から平成の時は、昭和63年度は平成元年3月まで、平成元年4月から平成元年度。昭和64年度は存在しないが、そもそも4月の時点で昭和64年ではなかった。改元が1月だったことで、その辺はきれいに移行できていた。
今回は多少混乱するかも。
勘違いして「令和元年度」とやってしまう人や組織も出そうだけど、それは間違いなのか、それぞれの判断として許容されるのか。国が指針を示してもいいと思う。
【3日追記】国の平成31年度予算については、5月以降「令和元年度予算」とするらしい。じゃあ、令和元年度が存在するの???
あと、令和の最初の年を「1年」とするか「元年」とするか。
平成の時は元年が圧倒的多数だった。日付スタンプや通帳印字などは「1」年表記だったけど。
これは戸籍や登記の現場に対して、「新元号の初年は「平成元年」と記載する。」とする通達を法務省が出したのが、拡大解釈されたせいのようだ。「1年」がダメな理由は考えつかないから、制限がない場面ではどちらでもいいはず。
組織にはそれぞれの都合で統一する必要はあるだろうけど、少なくとも個人で表記する分には、令和元年でも令和1年でも、どちらも正しいと言えよう。【2日補足・役所への提出書類では「元年」と書くように指導されたり、「1年」と書くと役所の権限で修正される可能性がある。】
「元年」のほうが重みがあって座りがいい印象はするかな。ただ、略して書くのに「R元.5.1」とするのもヘンだから、そこは「R1.5.1」。センス良く使い分けましょう。
平成の時も令和の時も、どんな結果になっても、自分にはほぼ影響がないのに、まるで自分の一大事のように緊張した元号発表であった。
外国の人にしてみれば、西暦と別に年を振り、それがある時からリセットされるなんて、理解してもらえないか、とても不思議な風習のように見えてしまっているのでしょう。日本人としては、元号も悪くないものだと思えた、令和発表であった。
※続きはこちら。
※イオン土崎港店の表示や文字の書き方・パソコンでの対応についての続きはこちら。