広く浅く

秋田市を中心に青森県津軽・動植物・旅行記などをご紹介します。

ポストに目?

2020-12-08 22:46:44 | 秋田の季節・風景
秋田市北部の拠点「土崎(つちざき)」地区。
市民の呼び方も、秋田市役所の公式な呼称(学校名含む)も、JRの駅名も「土崎」。「土崎神明社」もある。
でも、秋田市に合併する前の自治体名は「土崎港(つちざきみなと)町」、今の住所も「土崎港○○」。それ以外で「土崎港」を称するのは、イオン土崎港店(1979年にジャスコ土崎港店として開業)くらいかも。
男鹿市でも「船川港船川」と、港が付いたり付かなかったりがあるけれど、おもしろい。
軽く調べると、土崎港町ができたのは、1889(明治22)年。神明社や小学校はそれ以前からあった。ということは、「土崎」のほうが先で、町の名前で初めて「港」が付いたのだろうか。
【9日追記】「土崎湊」は、それ以前から港湾の名称としては使われていたのだと思う。地名としては「土崎」で使い分けていたのかな。あと、土崎には土崎姓のお宅も多くはないがいらっしゃる。


今回は郵便局の話。
国道7号(臨海バイパス)の東を並走する旧国道沿い、土崎港中央三丁目に「土崎郵便局」がある。2019年までは集配も行っていた大きい局で、バス停名にもなっているから、知名度は高い。
1872(明治5)年に「土崎湊郵便取扱所」として誕生。秋田中央郵便局の前身と同日。
1904年に「湊」が取れて「土崎郵便局」になったそうで、町名には遠慮せずに改名したことになる。

別に「土崎港郵便局」があるのは、ご存知だろうか。いつできたのかは分からない。【18日追記】いただいたコメントによれば、ルーツは1903年開局で、土崎で2番目に古い郵便局とのこと。
土崎郵便局から直線で南東に700メートル、道のりでも1キロほど。互いにいちばん近い郵便局ということになるのではないだろうか。
新国道のイオン土崎港店向かいの小路を入って、かつて秋田市電の線路だった道路と交わる手前。土崎港中央二丁目。

土崎郵便局は、(1958年から?)1984年までは土崎港南二丁目にあったとのこと。1974年の地形図を見ると、今のイオン近くの新国道沿いに地図記号がある。
一方、土崎港郵便局は存在しないようで、さらに旧国道の神明社・土崎駅へ曲がる交差点付近に、郵便局の記号。1985年の地形図では現状通り。
2つの郵便局が、ほぼ同時期に入れ替わるように移転したことになるのかも。

なお、ほかには「土崎東郵便局」と「土崎港北簡易郵便局」も存在する。簡易郵便局のほうは「つちざきみなときた」ではなく「つちざきこうほく」。
秋田市の地名では「土崎港北(~みなときた)」と「港北(こうほく)」が存在する。簡易郵便局は所在地からして後者を指すと考えられるが、よくあるように頭に所在エリア名(管轄する上位の郵便局名?)の「土崎」を付けたのだと思う。「土崎/港北」という区切りになるが、分かりづらい。


そんな土崎港郵便局。
左が電車通り、字が書かれた塀は嶺梅院裏手の墓地
名前がまぎらわしいほかは、ごく普通の、よくある特定郵便局の趣なのだが、先日、前を通ると、視線を感じた?!
ポストに目がある!!
土崎地区では標準的な「郵便差出箱10号」。見忘れたけど銘板があって(現行製品は省略)、サビもあるので、初期のもの。ポスト番号「011802」、1日2回取り集め。【追記】2021年3月5日に見ると、ポストが同型の新しいものに替わっていた。
誰かが入れかけたハガキが引っかかってる
前面下の赤い部分に、ラミネート加工した紙に描いた、左目を閉じてウインクした目、白い雲のようなまゆ毛、白いあごひげが貼られている。
街頭設置のポストならば、誰かのいたずらかと思いかけるだろうが、場所柄、郵便局による装飾か。でも、どうして顔? 季節的に予想は付くけれど、これでは物足りないのでは?


場所が変わって、新国道を南へ。秋田中央郵便局も近い、「秋田新国道郵便局」。

以前からの中央郵便局エリアで標準的な「郵便差出箱13号」。ここは2016年頃に、13号から13号へ交換されている。ポスト番号「010106」、1日2回取集。
ここでも、
ポストに目!
まゆ、目、あごひげの構成は同じだが、土崎港局とはどれも形が違う。目は両方開き、ひげの中に口がある。
さらに、向かって右のひさしには、赤い帽子。ポストのサイズからすれば、極端に小さいけど。
これなら何の顔か分かりやすい。サンタクロースの顔である。
 
土崎港局も、サンタのつもりならば帽子が必要では?

(もともとはコカ・コーラの影響らしいが)サンタクロースの色といえば赤。赤といえばポスト。だからポストをサンタクロースにしちゃおうという、郵便局の遊び心だろう。
2局を知ってから、このほか秋田市内の3特定郵便局のポストを確認したが、装飾はなかった。でも、ほかにもやっている局がありそう。【以下に追記します】
実施している郵便局 土崎港、秋田新国道、秋田手形、秋田外旭川、秋田寺内、秋田将軍野、土崎東、土崎【以上、12月14日まで確認。秋田市北部に多い傾向】、飯島、秋田中央

○実施していない郵便局 秋田通町、秋田保戸野、秋田菅野、秋田中通六、秋田駅前、秋田楢山、秋田牛島、秋田茨島、秋田旭南、秋田八橋、秋田中央【遅れて実施したらしい】、秋田大町、秋田川尻、秋田屋敷田、秋田広面、秋田新藤田、秋田泉、土崎港北簡易、飯島駅前簡易、新屋、新屋駅前


調べると、少なくとも2017年から日本郵便が実施している「郵便局サンタ47(フォーティー・セブン)」という催しの一環もしくはその延長のようだが、詳細は不明。
ネット上では2018年の兵庫県川西市では、複数の郵便局が競い合うかのように、発泡スチロールや布を使って、ポストをサンタに仕立てていた。
2019年には、東京都多摩市や山口県岩国市などで確認。ラミネートした紙を使うのが主で、今年の土崎港局と同じ目もあった。
それが今年も続いて、拡大している。ポストの側面に貼ったもの、最小の14号では鍵穴と干渉するためか、ボディから目をはみ出させて貼ったものや、帽子の白い部分に「年賀状はお早めに!」等の宣伝文を入れたものも。【9日追記・福島県いわき市の内郷宮郵便局では4面全部を顔にして報道されていた。1日から25日に実施】

今年2020年に見られる多くは、新国道局と同じと思われるパーツを使用。ただし、目が閉じたりハートだったり、口ひげから歯が出ていたりマスクを付けたりといった、バリエーションがある。
同一パーツでも、貼る位置や向きでも印象が違う。帽子は、下のまゆ毛のすぐ上に傾けて貼った局があったが、そのほうがいいかも。

つまり、ポストをサンタにすることは日本郵便として認めていて、各郵便局の判断で行っているのだろう。そして、パーツの画像データも全国共通で流通していて、必要に応じて使えるのだろう。

秋田市内のサンタポストの続きはこちら
翌2021年のサンタポスト



そんな楽しい話題の一方。
土崎郵便局よりも北、土崎港中央五丁目の旧国道のさらに東の裏道(サイカチの木がある通り)。

こんなところに14号ながらポストがあるのが意外。
ポスト番号011811、1日1回取集
顔じゃなく、白い紙が天面にある
「ポスト撤去のご案内」
「投函されている通数が少ないことから」「12月上旬頃」に撤去=廃止するそうだ。
黄色いラベルには「年賀状は「12/15(火)」から引受開始です!!」とあるが、その時にはこのポストはもうないだろう。

ここばかりでなく、同じ町内の旧国道の14号にも告知があった。
さらに北の土崎港北七丁目の、マックスバリュ港北店裏口の角にあった10号ポストは、11月頃に撤去済み。
また、秋田市東部・広面字赤沼の太平山三吉神社里宮のそばの13号も、12月撤去予定。
これら4ポストはいずれも、元は酒屋さん、たばこ屋さんなど切手類を販売していた店だったお宅らしき敷地に設置されている。今は営業を縮小もしくは廃業して、ポスト設置が、そちらの負担だったという側面もありそう。
でも、ここ数年で取り集め回数が削減されたり、ポスト更新時に小型化されたり、郵便を取り巻く事情が厳しいのも確か。ポストが過剰気味な市街地では、削減は今後もありそう。

【13日追記】一方、以前取り上げた、寺内三千刈の極端に近い間隔で設置された2つのポストは、現時点では撤去告知がないので、存続する模様。単に「利用が少ないから撤去」だけではなさそう。
コメント (8)
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