今回も秋田市内の信号機の話題。
市北部・土崎港北(つちざきみなと きた)の狭い道どうしの交差点。
南から。2015年8月撮影Googleストリートビューより
上の画像では、道路が突き当たっていて、一見丁字路。
実際には、左前方にずれてカギ(鉤)型・クランク状に直進する道が続いている。変形交差点というヤツ。
城下町に多く、秋田市中央地区や弘前市でおなじみ。ここの場合は、城下町とは関係なさそう。明治45年の地形図では、道路自体がまだできていないので。
設置された信号機は、以前は電球式・横型の樹脂製だったのが、上の写真のようにフラット型の縦型に交換済み。
今年秋以降、信号機はそのままに、柱を新しくする工事が行われた。信号専用の信号柱なので、警察管轄。どうせなら信号機交換と同時に柱も立て替えれば良さそうなものだけど、事情があるのでしょう。
最初の画像の位置の現在。暗くて分かりにくいですが
金属の柱になり、アームも細い直線2本に。信号機本体は低コスト仕様以前の大きいものなので、以前の使い回しだと分かる。
大きく変わった点がある。突き当り側の信号の設置位置。
以前は、交わる道路を越えた、向かい側というかまさに突き当り。多くの突き当りの交差点と同じ。
それが今は、道路を越える前、横断歩道の真上に変わった。なかなか珍しい位置。
裏側から見たところ
反対の北側も。
2017年7月ストリートビューより
北側は、交差点部分だけ道幅が広くなっている。昔は狭かったのを、後年広げたのかもしれない。
こちら側では、向かって右の信号柱に設置している。
上の写真の通り、左には信号柱はなく、電力柱に歩行者用信号機を取り付けているから、それに車両用も取り付けるのは無理もしくは遠慮したのか。
信号のことは置いておいて、ここ、停止線がだいぶ後ろにある気がしません?
車がすれ違いできるようにということだと思うが、実はここ、路線バスが通る。通町経由将軍野線(市民生協行き)。バスのために特に余裕を持たせているのではないだろうか。
今は中型バスのみで、平日でも毎時1本。市営バス時代は大型バスも入っていたし、1時間に2本以上行き交っていたから、難所だったかも。
信号に戻って。なぜこのような設置場所の変更をしたのか。
前提として、上記のように停止線と交差点本体との間に標準以上に距離があって、手前側に設置しても視認性に問題ない環境だということはあるだろう。どこの交差点でもできることではない。
だからといって、突き当り設置では遠すぎるから手前にしたというわけでもなさそう。狭い道幅分のほんの数メートルの違いだから。線形や柱の設置場所の都合で、アクロバティックな設置だったわけでもない。
したがって、「信号機が見づらい」といった、直接的な理由で移設されたのではないと推測する。総本数は同じだから、柱の節約でもない。
北側突き当り
北から来た突き当りは、民家のブロック塀。コーン(警察だとパイロン)が置かれている2か所に、以前の信号柱があった。塀を切り欠いて、民地内に設置させてもらっていたようだ(右の電信柱もそうなっている)。新しい信号柱は路上に立った。
警察としては、一般市民の土地に2本も柱を立てるのを嫌ったのか、あるいは所有者側から、今後のブロック塀の工事などの話があって対処したのか。
一方、南側は、突き当りが民家の門。そこの柱は、その門の脇の敷地内に生えた松の木の隣に埋まっていて、交換後も同じ位置(下のストリートビューも参照)。
別々の2軒のお宅両方で同じ原因が生じるとも考えづらいから、これも違うのでは。
あと、信号機の方式が変わった(LED化とフードレス化)ことにより、夜間に光が宅内に直射してまぶしいという苦情が出るというのも、一般論ではなくはないが、突き当りなのだからないでしょう。
東側。2020年8月ストリートビューより
上のストリートビューは、移設前、東側の停止線辺りの眺め。右は南の突き当り。現在の新しい柱には、歩行者用1基だけ設置。
赤い丸で囲ったように、南から来る車が見る信号機がよく見える。夜はもちろん、視角制限機能もないフードなしのフラット型では、昼間でも肉眼ならば点灯色が分かるだろう。ということで、見切り発進を誘発する。
しかも、このような変形交差点では、ズレたカギ型側は、双方向同時でなく片側ずつ青信号になることが多く、ここもそれ。3段階で青になるわけで、よりいっそう、見切り発進を招きやすい。
さらに、ここは道が狭い上に、小中学校が近い。停止線が遠いので、信号に従って出てくる車を、見切り発進した運転者が気づくのが遅れるかもしれない。見切り発進が特に危ない交差点なのではないか。
現状のように設置すれば、信号機の背面しか見えないわけで、点灯色が分からなくなる。まあ、歩行者用信号機を見てしまえば同じことではあるが、一定の見切り発進抑止効果があるのではないか。
「設置場所に余裕がある交差点において、見切り発進抑止のために移設した」のではないかと推測しておきます。
※翌2021年には、新国道の十字路交差点で、類似した移設が行われた。
市北部・土崎港北(つちざきみなと きた)の狭い道どうしの交差点。
南から。2015年8月撮影Googleストリートビューより
上の画像では、道路が突き当たっていて、一見丁字路。
実際には、左前方にずれてカギ(鉤)型・クランク状に直進する道が続いている。変形交差点というヤツ。
城下町に多く、秋田市中央地区や弘前市でおなじみ。ここの場合は、城下町とは関係なさそう。明治45年の地形図では、道路自体がまだできていないので。
設置された信号機は、以前は電球式・横型の樹脂製だったのが、上の写真のようにフラット型の縦型に交換済み。
今年秋以降、信号機はそのままに、柱を新しくする工事が行われた。信号専用の信号柱なので、警察管轄。どうせなら信号機交換と同時に柱も立て替えれば良さそうなものだけど、事情があるのでしょう。
最初の画像の位置の現在。暗くて分かりにくいですが
金属の柱になり、アームも細い直線2本に。信号機本体は低コスト仕様以前の大きいものなので、以前の使い回しだと分かる。
大きく変わった点がある。突き当り側の信号の設置位置。
以前は、交わる道路を越えた、向かい側というかまさに突き当り。多くの突き当りの交差点と同じ。
それが今は、道路を越える前、横断歩道の真上に変わった。なかなか珍しい位置。
裏側から見たところ
反対の北側も。
2017年7月ストリートビューより
北側は、交差点部分だけ道幅が広くなっている。昔は狭かったのを、後年広げたのかもしれない。
こちら側では、向かって右の信号柱に設置している。
上の写真の通り、左には信号柱はなく、電力柱に歩行者用信号機を取り付けているから、それに車両用も取り付けるのは無理もしくは遠慮したのか。
信号のことは置いておいて、ここ、停止線がだいぶ後ろにある気がしません?
車がすれ違いできるようにということだと思うが、実はここ、路線バスが通る。通町経由将軍野線(市民生協行き)。バスのために特に余裕を持たせているのではないだろうか。
今は中型バスのみで、平日でも毎時1本。市営バス時代は大型バスも入っていたし、1時間に2本以上行き交っていたから、難所だったかも。
信号に戻って。なぜこのような設置場所の変更をしたのか。
前提として、上記のように停止線と交差点本体との間に標準以上に距離があって、手前側に設置しても視認性に問題ない環境だということはあるだろう。どこの交差点でもできることではない。
だからといって、突き当り設置では遠すぎるから手前にしたというわけでもなさそう。狭い道幅分のほんの数メートルの違いだから。線形や柱の設置場所の都合で、アクロバティックな設置だったわけでもない。
したがって、「信号機が見づらい」といった、直接的な理由で移設されたのではないと推測する。総本数は同じだから、柱の節約でもない。
北側突き当り
北から来た突き当りは、民家のブロック塀。コーン(警察だとパイロン)が置かれている2か所に、以前の信号柱があった。塀を切り欠いて、民地内に設置させてもらっていたようだ(右の電信柱もそうなっている)。新しい信号柱は路上に立った。
警察としては、一般市民の土地に2本も柱を立てるのを嫌ったのか、あるいは所有者側から、今後のブロック塀の工事などの話があって対処したのか。
一方、南側は、突き当りが民家の門。そこの柱は、その門の脇の敷地内に生えた松の木の隣に埋まっていて、交換後も同じ位置(下のストリートビューも参照)。
別々の2軒のお宅両方で同じ原因が生じるとも考えづらいから、これも違うのでは。
あと、信号機の方式が変わった(LED化とフードレス化)ことにより、夜間に光が宅内に直射してまぶしいという苦情が出るというのも、一般論ではなくはないが、突き当りなのだからないでしょう。
東側。2020年8月ストリートビューより
上のストリートビューは、移設前、東側の停止線辺りの眺め。右は南の突き当り。現在の新しい柱には、歩行者用1基だけ設置。
赤い丸で囲ったように、南から来る車が見る信号機がよく見える。夜はもちろん、視角制限機能もないフードなしのフラット型では、昼間でも肉眼ならば点灯色が分かるだろう。ということで、見切り発進を誘発する。
しかも、このような変形交差点では、ズレたカギ型側は、双方向同時でなく片側ずつ青信号になることが多く、ここもそれ。3段階で青になるわけで、よりいっそう、見切り発進を招きやすい。
さらに、ここは道が狭い上に、小中学校が近い。停止線が遠いので、信号に従って出てくる車を、見切り発進した運転者が気づくのが遅れるかもしれない。見切り発進が特に危ない交差点なのではないか。
現状のように設置すれば、信号機の背面しか見えないわけで、点灯色が分からなくなる。まあ、歩行者用信号機を見てしまえば同じことではあるが、一定の見切り発進抑止効果があるのではないか。
「設置場所に余裕がある交差点において、見切り発進抑止のために移設した」のではないかと推測しておきます。
※翌2021年には、新国道の十字路交差点で、類似した移設が行われた。