麒麟琳記〜敏腕Pの日々のつぶやき改題

還暦手前の身の回りのこまごま。
スポーツや映画演劇など。

てんのあみじま日記(其の五)

2015年11月01日 | 制作公演関連
十一月になった。
そうして遊戯空間『心中天網島』は
全八公演を折り返し、残すは四回だ。

初日の本番中に脇差が折れたりと
トラブルもあったが、生の舞台。
それらも含めて「演劇」である。



本作は七人の役者と三人の演奏者で
お届けしていますが、
上の人形も重要な出演者だ。

以下、感想の一部を紹介しよう。

「三味線、薩摩琵琶、笛、太鼓、
語り、影、文字の映像を使い、
役者同士が対面しない演出は
文楽の要素も感じられ面白かった。
役者たちもとても味わいがあって、
各々の役の心情を余すところ無く伝え、
素晴らしかった」

「近松門左衛門の心中物の中でも
最高傑作の誉れ高い今作であるが、
義理(人が人として守るべき人倫の道)と
人情(例えば恋、己の理性で律すること
能ぬ本能の齎す欲求)の機微を、
これほどドラマチックにまた悲劇的に
同時に美的に描いた作品は古今東西
実に稀である」

「あの時代が、場面が、活き活きと蘇る。
発語としての日本語の美しさ、面白さが、
見事な語りと演奏で盛り上がる。
‘時代物’の新たな魅力に目を開かれた気分」

と有難い言葉に勇気づけられる。



それはそうと。
昨夜の帰りの電車の、乗った車両の八割が
《仮装》という絵には言葉に出来ない
「恐怖」に身の毛がよだった。
ハロウィンは「楽しいお祭り」だ。

自分は参加する気はないが否定はしない。
ただ。
車両の大半がゾンビだったり南瓜、
ナースにピカチューにウォーリーetc
という中で「普通」がマイノリティなこと、
そのことに得も謂われぬ恐怖を感じたのだ。

『心中~』の次の次に控える公演
『東京スタンピード』のテーマとリンクするから
僕自身がナーバスになっているだけなのか。

その事は稿を改めて記す。
コメント
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