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麒麟琳記〜敏腕Pの日々のつぶやき改題

還暦手前の身の回りのこまごま。
スポーツや映画演劇など。

地図と演劇(後編)

2018年10月05日 | 鑑賞
昨日は、若手について触れたから
ベテランについても書いておく。

ちなみに・・・

劇団東演P.I.C公演vol.6
『ジェイミー・フォスターの通夜』
作/ベス・ヘンリー、翻訳/佐月麻里
演出/須藤黄英(青年座)
時/9月29日~10月7日
於/東演パラータ(下北沢)

・・・を水曜日に観た感想の後半です。
【文中敬称略】

年々、演じられる幅が広がっている
能登剛は、さすが劇団の男優二枚看板の
一翼を担うだけあって、今回は
下品で駄目な男ブロッカーを好演。
彼の登場は開幕から時間を要するが、
ブロッカーが花道から来ただけで、
グッと芝居が引き締まった。

そうそう。前編で演出に
やや苦言めいたことを記したが、
配役は適材適所・・・いま、
この四文字を使うと凄く嘘臭いが
某国の新大臣のそれとは異なり
本当の意味で・・・適材適所だった。

感情の起伏が激しく、本当の気持ちを
うまく表現できない未亡人役の
小池友理香もハマリ役

同様に。
一癖二癖ある登場人物たちの中、
銀行勤務で四角四面、他を低く見る
故人の弟ウェイン・フォスター役の
原野寛之もカープ優勝の勢いに乗り、
劇中で色々と「しでかして」くれた。

と、この調子で全員に触れると
長くなり過ぎるから自制して……。

前編の補足を少し。
演出家が当日リーフレットに綴った
《P.I.Cという俳優の俳優による
俳優のための公演のはずが……》は、
あくまで個人的見解であります。
「俳優の俳優による」までは
確かに間違ってはいないけれども、
「俳優のための公演」ではない。
と、この企画を遠い昔に立ちあげた
一人として言っておく。
時の流れの中で、変質もしているから
「今」はそーなのかもしれないが……。

たまさか地図の話から始まり、
タイトルも「地図と演劇」になっている。
一つひとつの演劇作品にそれぞれ
企画立ちあげから実際の創造の道順、
そして千秋楽までのロードマップが
存在するように・・・勿論、中には
行き当たりばったりな芝居もある。
それでも。終わって振り返れば、
子供のいたずら描きみたいな轍が残る。

P.I.C-6にも「地図」はあっただろうし、
それはペラの紙一枚ではなく、
1959年から始まる大きな地図の、
一部分でもあるのだ。
そして尚〈劇団創造の新機軸〉を担う
P.I.Cは、少し地図から離れると、
ちょっと横道の部分には見える。
そして、もう少し遠目から眺めると、
主要幹線を補完する大切な道だと解る。

P.I.Cは、そういうものなのです。

※※※

数日前から強い頭痛に苛まれている。
頭がイタイ状態で書くと、こうなる。
コメント
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