道化モノは、メイクシーンがつきもの。
実在したサーカスのピエロ・栗ちゃんを
主人公にした『翔べ、イカロスの翼』
(1978年、草鹿宏著。一光社)は
映像や舞台にもなった作品で、
映画は、さだまさしが主演(1980年)。
プロのカメラマン志望の青年が
ピエロになって行くさまが
顔を作るシーンで印象づけられた。
二夜連続でA、Bキャストを観劇した
劇団銅鑼第59回公演
『「真っ赤なお鼻」の放課後』でも
平凡な高校二年生・青砥雛子が
師匠・沢田にメイクされる場面から
一気にクライマックスへ……。
話が前後するが、ここであらすじ。
進路で悩む雛子は、ミュージシャンになると
明確な夢を持つ幼馴染みの陽人を訪ねる。
と、彼はALSを患った母を介護する
ヤングケアラーとなり、高校も通信制に編入、
音楽から離れた日々を送っていた。
雛子は、漠然とした検索から医療事務を
目標のひとつに掲げるが、職場見学先の
病院で目にした「訪問者クラウン」の
赤鼻を目にして、幼い頃の記憶を呼び覚ます。
それが、タクシー運転手のかたわら、
こどもたちに笑顔を届ける沢田だった。
劇場に向かう道すがら、ビアガーデンのポスター。
あぁ30代の頃、制作仲間と行ったな~と、
無駄にいろんなことで盛り上がった時間を
思い返しながら、会場へ。
そこには、受付から劇団一丸で迎えてくれる
家族の匂いをまとった銅鑼の面々。
作品の中身も銅鑼らしい直球ど真ん中で、
客席は、それをまっすぐ受け止めていた。
シアターグリーンBOXinBOX THEATERにて、
8月23日(水)から本日まで。
2020年、48歳の若さで逝ったクラウンYAMA。
彼のことも思い出さずにはいられない作品。
それから。
劇団東演での最後の担当作品となった
『翔べ! イカロスの翼~君は翼をみたか』
(2009年、紀伊國屋サザンシアター)も
当然、甦ったわけである。
あの舞台でも、メイクシーンはありました。
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