記憶から完全に喪失していた物が、最近、不要雑物身辺整理中に出てきた。若かりし頃、若気の至りで、書きなぐっていたと思われる詩の類である。不揃いの便箋やレポート用紙等に、バラバラと走り書きしたような代物で、色褪せてカビ臭い茶封筒に詰まっていた。そのまま、ゴミ箱行きにすれば良さそうな物だが、数十年ぶりに目にして、タイムカプセルを開けるが如く、ある種、感動さえ覚えてしまい、全てを捨て去る前に、「青春の思い出の欠片」として ブログに書き留め置こう等と考えてしまった。今の爺さんには、気恥ずかしく、冷や汗が出るような、ぞっとするような、拙劣な詩の類ばかりだが、恥じも外聞もなく、そのまんま・・・・。
その中に、「秋」と題した詩(もどき)も有った。「昭和40年10月2日」と記されており、今から56年も前、独身の頃に、感傷と妄想で、レポート用紙に書き殴ってあるものだが、50数年後に、他人様に公開される等とは、当時、夢にも思わなかったことであり、幼稚、拙劣、無茶苦茶、いい加減な詩(もどき)だ。自嘲もしてしまうが、これも又、過去のあしあとの一つと居直って、恥も外聞もなく・・・。
「秋」
秋
さわやかな朝
ピリッとした感じ
薄黄色の
いちょうの木の葉が
かさかさと音をたてて
ゆれている
かわいた石だたみに
松かさがころがってる
美しい朝だ
空も、山も、木も、草も
皆 秋だ
秋
華麗なる夕暮
ロマンチックな感じ
真っ赤に染まった雲の帯
たなびく夕焼
ゆらゆらとススキの穂が
ゆれている
一番星を見る頃は
甘くせつない感傷のメロディー
美しい夕景色
空も、山も、木も、草も
皆 秋だ
(昭和40年10月2日)
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