小学館文庫 2004年
このエッセイを読んで、思わず(今では)笑ってしまったのが、体育の
授業でボールをやりとりするのに相手がいなくて、先生とやるってところ。
あぁ、おれっちも高校のとき、先生とやってたわ。
ても、おれっちの場合、影のような存在ってわけじゃなく、ちょっといか
れていたから、誰も怖くて近寄ってこなかんったんだよねえ(苦笑)。
穂村さんのセンスは抜群だし、文章もイキが良い、これは歌人でもあるので
言葉の鮮度が良いんだと思う。言葉が躍動しているように感じる。
本当はちがうんだ日記でいきなり結婚したりしたことを書かれて、裏切ら
れた感のあるおれっちは、しばらく、さけていたんだが、もうおうちへか
えりましょう、には興奮して、一気読みしてしまった。
あぁ、おれっちもステキになりてえなあ………合掌。
(鶴岡卓哉)
さて、何を書きましょうかねえ。先日は、歯医者に
行ってきました。歯を入れたんですが、快調この上
ないですね。仮歯の時は死ぬかと思いましたが。
僕は自分の使命が二つあって、ひとつは文学を極め
ること。もう一つは、この世界をとことん観察し、
偵察することです。これまでの人生でいろいろな
ものを視てきました。主にTVでですけどね。
大抵のものは視てきてしまったし、聴いて来てしまった
ので、今では驚くことはあまりないと思っていました
が、それでも、驚くことはありますね、ここには書けま
せんけど。
自分がとことん宇宙人になった積りでいろいろな
ことを視ると面白いんですよね。
では、今日は同業者の古本屋さんが書いた短編
です。
中公文庫 1989年
どういうわけか、「腹中石」と「そつじながら」は
どうしても読む気にはならず、失礼した。
でも、この短編は構成も凝っているし、ニャオおばさん
なる猫みたいにニャオと啼きながら話すヘンなおばさんが
描かれ、そのニャオおばさんこと本室よし乃の書いたと云う
小説だか、日記だかが軸になって話は進んでいく。奇妙な話し
と云うのはぼくは大好きで、至ってフツーの話など何のために
読むのかよく分からない。戦時中の猫と古本の話しで、ここに
どうとは書けない。でも、とても楽しいストーリーで、ちょっと
汚い。猫と古本と云うのは相性がよろしいようであり、ぼくは
大の猫好きなので、同業者としては申し分のない短編であった。
(読了日 2025年1・4(土)23:25)
(鶴岡 卓哉)