古民家ギャラリーうした・ガレッジ古本カフェ便り

古民家ギャラリーうしたと隣のガレッジ古本カフェで催している作品展、日々の発見!、書評、詩などを紹介していきます。

生きてるだけで、愛     本谷有希子

2019-01-27 06:30:20 | 本谷有希子
新潮文庫   平成18年7月


この人のこの手の作品はまさに「激情」、原色の「赤」である。


劇画タッチで次々に問題を起こし、読み手を飽きさせない。


この手の作品を苦手とする人も多いだろう。


好みを二分するだろうからだが、ボクはわりと好きで、ボクが


いかれているからか、その世界を割りとすんなりと理解できる。


装丁の赤く染まった富嶽36景の絵がこの作品を印象づける。


五千分の一秒を正確に描いた北斎のように、瞬間の沸点を確かに


描いて見せた、本谷女史の快心の一作。




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