古民家ギャラリーうした・ガレッジ古本カフェ便り

古民家ギャラリーうしたと隣のガレッジ古本カフェで催している作品展、日々の発見!、書評、詩などを紹介していきます。

腑抜けども、悲しみの愛を見せろ  本谷有希子

2018-08-20 19:33:29 | 本谷有希子
講談社文庫  2003年


非常に演劇的というか、少女マンガ的とでも言えそうである。


激情に次ぐ、激情なのだが、そこには、それをちょっと俯瞰


してみてる他者がいるのだ。


それを介しているために、ポップ文学となり得ているのだ。


本谷文学というのは、不思議な作風、不条理劇であると同時に


ポップ文学としての側面も併せ持っているのだ。


この作品に出てくる、澄伽という冗談のような女に振り回される


まわりの家族、そして、クールな目で観察する妹の清深、ボクは


少女マンガは読まないが、いかにもありそうなはなしではないか。



それを文学的処理をして、昇華させると、本谷女史の見てる景色


も見えてくる。



そこには新しい地平が拓けているだろう。

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