新潮文庫 平成13年
ぼくが酒を呑まなくなって久しいが、心情的には
酒はそんなに嫌いじゃない。
酒は決して悪いものではなく、楽しむものだ、という
認識がある。そして、あとがきのシーナさんの言によ
ると、太田氏というのは酒を楽しんで、味わっておる
らしいのだ。ここで発見だったが、太田氏もシーナ派
らしいのである。
3年にわたり、「小説新潮」に連載していったという
本書。故郷を捨て流れゆく股旅物。小林旭の「渡り鳥」
シリーズと自己批評しており10都市をめぐっている。
その描き方も、こなれたもので、一篇のドラマを見ている
ようである。我々男というものは、故郷を求めてさすらう
運命にあるのかもしれない。
(読了日 20231・28(土)5:00)
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