文庫版だが、まずいいと思ったのが、字が大きいということだ。
文庫だと特に字が小さくていらだつということがよくあるのだ。
藤野女史の作品は初めて拝読したが、本領はホラーだという。
三歳児が果たしてマニキュアを剥がしたのをママハハの目に入れるか
、と聞かれれば、そんなことは絶対にあり得ない、と大抵の人は答
えるだろう。しかし、そのあり得ない感が逆に怖さを生む、というこ
ともある。
「しょう子さんがわすれていること」も怖い。「五人目」って誰? となる
あたり、ラストへのベッドから落ちて、跳ね回るとこなんか、ゾクッとくる。
夏の夜にぴったりだ。
そして、極めつけが、「ちびっこ広場」だ。不穏な空気が漂いつつ、しっかり
としたハハと子供というホラー定番の配置。
とんでもないことが起こりそうな予感に満ち満ちて終わるラスト……新しいタイプの
芥川賞作家の誕生を今更ながら体感した。
文庫だと特に字が小さくていらだつということがよくあるのだ。
藤野女史の作品は初めて拝読したが、本領はホラーだという。
三歳児が果たしてマニキュアを剥がしたのをママハハの目に入れるか
、と聞かれれば、そんなことは絶対にあり得ない、と大抵の人は答
えるだろう。しかし、そのあり得ない感が逆に怖さを生む、というこ
ともある。
「しょう子さんがわすれていること」も怖い。「五人目」って誰? となる
あたり、ラストへのベッドから落ちて、跳ね回るとこなんか、ゾクッとくる。
夏の夜にぴったりだ。
そして、極めつけが、「ちびっこ広場」だ。不穏な空気が漂いつつ、しっかり
としたハハと子供というホラー定番の配置。
とんでもないことが起こりそうな予感に満ち満ちて終わるラスト……新しいタイプの
芥川賞作家の誕生を今更ながら体感した。