古民家ギャラリーうした・ガレッジ古本カフェ便り

古民家ギャラリーうしたと隣のガレッジ古本カフェで催している作品展、日々の発見!、書評、詩などを紹介していきます。

意味がなければスイングはない  村上春樹

2023-10-04 23:51:06 | 本の紹介
文藝春秋  2005年

長らくぼくは春樹氏を「何か」=SOMETHING ELSE

のある作家だと認識してきたし、この本にも、その「

何か」は確かに存在する。2010年代になって、春樹

氏はそれらを失ってしまった、とぼくは思っているが、

それは、今回はまあ、いい。

ぼくらには、春樹氏ほどではないにしろ、少々の優れた

音楽が必要だ。日々、おいしいもんを食べて、なんとか

やっていくにしても、おいしいものをおいしいと感じる

には感性が必要になってくるし、健康もいる。そのため

には、スタン・ゲッツのいかしたリフや、ブルース・

スプリングスティーンの嗄れ声、スガシカオのとんでなく

ファンキーなやつが必要になって来るってわけだ。意味が

なければスイングはない、そうだ、音楽にも文学にも絶対

的に意味があるのだ。ぼくらはそれらを息をするみたいに

吸っていくのだ。

                   (鶴岡卓哉)

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