古民家ギャラリーうした・ガレッジ古本カフェ便り

古民家ギャラリーうしたと隣のガレッジ古本カフェで催している作品展、日々の発見!、書評、詩などを紹介していきます。

ファイナル・ガール     藤野可織

2019-03-29 10:07:41 | 藤野可織
角川文庫   2014年



ホラー作家というふれこみだが、おれっちはこの7つの短編を


読んで怖かったか、と問われれば、別に怖くなかったと答える


だろう。


それは、この7つの短編が文学として、きちんと立っているから


だと思う。どこか不可解で、不穏な空気感の中で、おれっちはた


のしんでいた。


それが、解説で村田沙耶香さんも「大好き」と名言をしたものな


のである。


おれっちは長らくこの物語を待っていたのだ。


特に好きだったのは「狼」と題された作品だ。5歳のときに「狼」が


ドアの向こうに来て、両親が倒して以来、「狼」と対峙することを


待ち望み、とうとうそのときになって、ひ弱なカノジョに「狼」を


ぶちのめすお株をとられてしまう、というような話しだと思うのだが


、この「ズレ」こそが、ニュー・ホラーの技巧、テクニックである


とみた。


新しいホラー作家の真骨頂ですね。


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