古民家ギャラリーうした・ガレッジ古本カフェ便り

古民家ギャラリーうしたと隣のガレッジ古本カフェで催している作品展、日々の発見!、書評、詩などを紹介していきます。

本盗人   野呂邦暢

2024-12-29 02:54:29 | 小説の紹介

「素敵な活字中毒者」所収。 昭和五十三年

 

この野呂氏と云う人は残念なことに43歳で

 

亡くなっている。長崎生まれで、小説にも長崎と云う

 

ワードが出て来る。「草のつるぎ」で芥川賞を受賞さ

 

れている。「草のつるぎ」は読了済み。この短編は

 

「野性時代」に発表。「愛についてのデッサン」に

 

収録されていると云う。

 

この短編の主人公は古本屋の主人で、盗難に悩まされ

 

ている。それもすごく高価な本だ。赤いブレザーを着た

 

女の子が三日間入り浸り、最後の日に来た後に、「方丈記」

 

が棚に戻されていた。郵便局で会い、他の三冊も送ろうとし

 

たところに出くわしたのだ。本人ではなく、男友達がしたこと

 

だろう。その男友達に激しい嫉妬を感じる啓介であった。

 

うーん、この本、ハズレなしかあ、さすがシーナさん、いい

 

短編ばかりである。

 

(読了日 2024年12・1(日)23:45)

                (鶴岡 卓哉)


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