「素敵な活字中毒者」所収。 昭和五十三年
この野呂氏と云う人は残念なことに43歳で
亡くなっている。長崎生まれで、小説にも長崎と云う
ワードが出て来る。「草のつるぎ」で芥川賞を受賞さ
れている。「草のつるぎ」は読了済み。この短編は
「野性時代」に発表。「愛についてのデッサン」に
収録されていると云う。
この短編の主人公は古本屋の主人で、盗難に悩まされ
ている。それもすごく高価な本だ。赤いブレザーを着た
女の子が三日間入り浸り、最後の日に来た後に、「方丈記」
が棚に戻されていた。郵便局で会い、他の三冊も送ろうとし
たところに出くわしたのだ。本人ではなく、男友達がしたこと
だろう。その男友達に激しい嫉妬を感じる啓介であった。
うーん、この本、ハズレなしかあ、さすがシーナさん、いい
短編ばかりである。
(読了日 2024年12・1(日)23:45)
(鶴岡 卓哉)
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます