古民家ギャラリーうした・ガレッジ古本カフェ便り

古民家ギャラリーうしたと隣のガレッジ古本カフェで催している作品展、日々の発見!、書評、詩などを紹介していきます。

たそがれの朝食     フィリップ・K・ディック

2021-02-08 21:54:11 | 小説の紹介

浅倉久志・訳    「ディック傑作集1」所収

 

タイムスリップというと、村上龍氏の5分後の世界

 

を思い出したが、あれは核戦争だった。これはロム

 

と呼ばれる爆弾の影響で、7年後に家もろともタイ

 

ムスリップしてしまう、というもの。

 

煙のような、霧に包まれて、放射能に満たされた、

 

暗い世界で家族は、その世界に残るか、家に残って

 

ロム攻撃によって、タイムスリップするかの賭けを

 

せまられる。

 

家に残る選択をした彼らに待ち受ける運命は?

 

いつもP・Kの未来世界は明るく楽しい未来ではなく、

 

辛く厳しい、荒涼とした世界が待ち受けている。

 

それがなんかすごくカッコよく感じるのだが、それは

 

これが小説世界だからだ。リアルでは起こってほしく

 

はない、と痛切に思う。……合掌。


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