「河童」所収。 集英社
この「河童」と題された芥川氏の文庫本の良いところは
語注が逐一入っているところであろう。わからない、単
語ばかりなので、ありがたい。
ラストで主人公の視界に歯車が回りだす。これはとうとう
狂ったのではないか、と主人公は思う。その主人公は芥川
自身らしく、私小説らしいのだが、母親が狂っていて、
自分も発狂するのではないか、とおそれるくだりがある。
また、主人公は痔を患っているらしく、もしかすると、
芥川も痔を患っていたのではないか、と推測される。
どのくだりもどうでもいい、といえば、どうでもいいし、
なんとなく、際立っているといえば、際立っているは
なしで構成されている。なんという事件も起こらない
まま、レエン・コオトの幽霊のはなしがキーになって
いるようではあるが、ボクの頭も、体も、食べ過ぎによ
ってボワーッとしていたので、よくわかんなかった。いや、
読書に空腹感は必須だ、満腹で勉強や読書などできませ
んな。……合掌。
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