集英社文庫 1970年。
父は飲んだくれて、母は蒸発…………のこされたのは知能遅れの
妹と肺病やみの弟。一家心中しようとするところを吉原に売
られることに…………。
津村女史の離れ業的なストーリーテリングで、飽かさずにさよは
描き出されていく。
これは女の物語であり、人間の物語だ。
女というものの怖さ、遊女になってしまったというか、ひとつの
ホステスとか、そういった現代にも通じるものだと思う。
水商売を一日でもやってしまったら、一生それは体に染みついて
しまうと言う。
さよは一年八ヶ月で魂までも売り飛ばしてしまった。
涙なくして、読めない、この心の躍動が、時代を超えて伝わっ
てきた。
父は飲んだくれて、母は蒸発…………のこされたのは知能遅れの
妹と肺病やみの弟。一家心中しようとするところを吉原に売
られることに…………。
津村女史の離れ業的なストーリーテリングで、飽かさずにさよは
描き出されていく。
これは女の物語であり、人間の物語だ。
女というものの怖さ、遊女になってしまったというか、ひとつの
ホステスとか、そういった現代にも通じるものだと思う。
水商売を一日でもやってしまったら、一生それは体に染みついて
しまうと言う。
さよは一年八ヶ月で魂までも売り飛ばしてしまった。
涙なくして、読めない、この心の躍動が、時代を超えて伝わっ
てきた。