古民家ギャラリーうした・ガレッジ古本カフェ便り

古民家ギャラリーうしたと隣のガレッジ古本カフェで催している作品展、日々の発見!、書評、詩などを紹介していきます。

無名仮名人名簿    向田邦子

2018-01-19 08:46:53 | 向田邦子
文藝春秋。


最後になるエッセイの猫の想像妊娠には驚かされる。猫の


話しでラブシャワー、マーキングをいたすというのがあるが


、昔は去勢はしなかったのかなあ、はなはだ困るではないか、



と思った。


お弁当の話しもよくでてくる。自身のは男の弁当であるというが、男



の弁当ってなぜか茶色だよな。



万年筆の話しもこの時代手書きだったろうて、なるほどなあ、と。



3号まで万年筆があり、1号を本妻とよんでいた。それも



使いつくした捨てる一歩手前のヤツを使うんだそうである。



よくかかれる話しで、贈答品をすぐ見たがる父の血を受け継いで



、見たくなる、っていうやつ。おれっちは別に見たくならないかなあ。


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乙女なげやり     三浦しをん

2018-01-13 06:17:17 | 三浦しをん
新潮文庫。



ロード・オブ・ザ・リングのヴィゴをこよなく愛し


、ひたすら妄想する。弟とジロウくんの仲をあやし


み、偽スタ〇でマンガ批評会を開く女。自問自答す


るなげやり人生相談もある。けど、この女、よく


腹が痛くなったり、貧血で倒れたりするが、大丈夫


か? タバコ吸いすぎとちゃうか? タバコやめた方が


良くないか?……大きなお世話か??。
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薬指の標本      小川洋子

2018-01-12 09:11:04 | 小川洋子
新潮文庫。


標本室につとめるようになった21歳の女性。以前


つとめていたサイダーの工場で薬指の先を失って


しまった。標本室にはかすかに頬に火傷のある女


がやってきて、技術室の向こうに女性自体消えて


しまい戻ってくるところを女は知らない。浴場で裸


になり弟子丸という男と抱き合う仲の女は嫉妬を


感じるのか……。弟子丸から革靴をもらい、それ


は足にフィットし、足の一部となっていく。くつ


みがきの男にこのままでは足を失うことになる、と


予言めいたことをいわれる。老女が死んだり、なにか


哀しげなしんとした雰囲気がただようが、決して


暗い訳ではない。


そのストーリーを簡明に表現するのは難しく、ふしぎ



な世界の拡がりがあり……ボクもその世界にどっぷりと



浸かってしまった。


「六角形の部屋」……六角形の小部屋で独白するだけの


商売をしている親子と出会い、彼氏を憎むことにな


った女を描く。ぽつんと取り残されたように、六角形



の小部屋は旅だってしまう。女の背中の痛みが、奇妙に



この短編の薬味となっている。
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繭(まゆ)染め!

2018-01-11 11:58:00 | カフェ、ギャラリー
生徒さんが繭染めをしたんだけれど、染まらなかったとかで



教室でやることになりました。



椿を近くで集めてきて、煮だしまして、玉ねぎの皮も集めて



おいたのを煮だして、そこに繭を入れて二十分くらいですかね。




コトコト煮ます。すると、こんなにもきれいに染まるんです



ねえ。



飾りに使うそうですが、見ているだけでも、キレイなので、いい



ですよね。




染めるときはこんな感じです。

椿はもっといっぱいだったんですが、取ってしまったので、残りがこんな感じですね。煮汁です。

染まった繭が、これです。ちょっと発色が悪いようですが、実際はもっと鮮やかです。




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百鬼園随筆   内田百閒

2018-01-10 12:19:08 | 内田百閒
新潮社文庫。



官吏の教職の給料というのはそんなに薄給なのだろうか。


フツーに生活していて、そんなに借金ばかりするようなの


だろうか、と不思議である。同僚は借金をしているようで



はないし、増々不思議である。これが幻想的というヤツな



のだろうかとさえ思ってしまう。


結婚披露宴をつらつらと描いた作品や、生活の上でのうんち



くめいた会話を引き合いにだし、生活を描きだしてゆく。



最後の梟林記はまさしく百閒ワールドっていっていいと思う



作品だ。人殺しのあった隣家でのできごとと、幻想的な大



きな鳥がイメージとして入ってくる……芳醇な想像力を掻き



立てられ、恐怖さえ感じてしまった……。

                   (鶴岡卓哉)
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向田邦子全集5(新版)エッセイ 父の詫び状

2018-01-09 19:21:31 | 向田邦子
文藝春秋。



向田さんが乳がんになったことでなにか書き残そうと



思い立って、書かれたのが本書である。



眼の大きな少女がいろいろなことにときめいている



姿が思い浮かぶ。卵を一万個たべた計算になるとかか


れていたが、おれっちも一万五千個はたべているなあ、と思


い、そんなこと考えたこともなかった、と思った。



戦前の日本の現風景がみえてくるようでである。


それはすごくいい風景であったり、わるかったりする。


カレーライス、もとい、ライスカレーは今のほうがおい



しいだろうしなあ。父上のこと、弟、妹、のことがつつ



がなく描かれていて、向田さんの屈託のないお姿が浮か



びあがってくる。



ちょっとした友人の話を聞いているようであった、す


ごくいいときを過ごせた。
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「交わるいと 「あいだ」をひらく術として」展をみて 広島市現代美術館

2018-01-07 01:14:41 | 日記
駅まで三十分くらいはたっぷりと歩いた。そこから、



路面電車で比治山下に乗り、山を登って、広島市現



代美術館でやっている「交わるいと 「あいだ」を



ひらく術として」展を見にいってきた。



平野薫の無題ーred NIKE-はシューズを糸の



状態へと戻してある。存在の解体である。ひいては人



類の文明、歴史の解体でもある。存在とは常に解体の恐



怖にさらされているかのようである。


関島寿子のクルミ、コウゾ、ケヤキ、などを使って構築



された構造物には目を見張る。構造物として、一つの到達


点をみたかのような洗練と自然の一体化である。ここま



でにするのにこの作家は、いかように努力されたか計り知


れない。それから、ボクが注目したのが、福本潮子の作品



である。麻を使ってあり、藍が効果的に都会的センスを伴っ


て、しかも、原風景をとらえて離さない。いかようにも、その



イマジネーションは横溢していく。ボクらはその前に立ち



才能ある人間が到達できる洗練された答えの存在をそこに



見ることになる。ボクらは「遠野」をみて、その地平に


驚愕するのみなのである。



と、あまりの時間の集積に、いや、これは、三十年、五十年、


とかかった仕事であるからして、見る方も疲れるのは当然。



朝日コーヒーで、ミックスサンドとコーヒーを所望した。



コーヒーはたっぷりとあり、濃ゆかった。



そのあと、「町の名前をひとつ」を見た。コレクション展


2017-Ⅲと題されたものだったが、さすがに収蔵された作



品群は見ごたえがあった。「町」「街」がテーマだ。


浜口陽三の「雲」などひとつの、都会で暮らす人の抱える


問題が提示されつつ、答えも同時に存在しているのではな


いか。


ボクも「街」は好きである。「町」より「街」の方が好



みである。比治山から見下ろす「街」を見て、「広島」



の街が赤穴宏の作品と頭ン中でトリミングしていた。 



美術館にはひとがひとりいたくらいだった。ぜひ、たく



さんの人に見てみたいものである。といっても、ボクは



関係者でもなんでもないんだけれどね。
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新年、仕事はじめ!!

2018-01-06 05:20:05 | カフェ、ギャラリー
新年あけましておめでとうございます。というのには



六日じゃ遅いかな。


カフェは七日より営業いたします。ギャラリーうした



も楽文(がくもん)カフェやります。



今年もブログ、カフェ、古民家ギャラリーうした、とも



どもよろしくお願いいたします。



今年もブログの方は、ちょっぴり頑張りたいと思います。



書評、ギャラリーでのたかの制作風景などをうpしてい



けたらなあなどと思っております。



詩の方も、いつになるか分からないけれど、機会があれば



うpしますよぉ、お楽しみに。



では。新年の抱負とあいさつでした。
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しをんのしおり   三浦しをん

2018-01-03 10:04:17 | 三浦しをん
(新年一発目は去年一番多く読んだ、しをんさんの書評か


ら。)




新潮文庫。


マンガ本ヲタクで、(その当時、直木賞をとるずっと前のこ



とです)古本屋でバイトしていて突然、旅行に大阪に行くよ




うな女性、しをんさんの日々を明るく楽しく描いたエッセイ。




文学的に過ぎるおれっちは初めはちょっと、ふんがふんが、とかで拒




否反応を起こしたが、読んでいると、その底抜けの明るさに、



ひき込まれてしまった。



エッセイというのは、楽しいということが大事なのである、



といいたげで、納得、あなたは正しいです、と言っているおれっち


がいた。
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