大瀧啓裕・訳 「ディック傑作集1」所収。
植民地の星に入植した一行。そこで、無機物に擬態する
生物に遭遇する。絨毯、顕微鏡、クルマにまでも擬態す
るやつら。そして、ラスト、なにも持って出なければ、大
丈夫でしょう、と、裸になって、救助の巡洋艦に乗るが……。
その巡洋艦までもが擬態したやつらだったという、オチ、
ネタバレでした。それでも、P・Kは読んでいるだけで楽しい
のだから、かまわないではないか、という気がしてくる。……
合掌。
大瀧啓裕・訳 「ディック傑作集1」所収。
植民地の星に入植した一行。そこで、無機物に擬態する
生物に遭遇する。絨毯、顕微鏡、クルマにまでも擬態す
るやつら。そして、ラスト、なにも持って出なければ、大
丈夫でしょう、と、裸になって、救助の巡洋艦に乗るが……。
その巡洋艦までもが擬態したやつらだったという、オチ、
ネタバレでした。それでも、P・Kは読んでいるだけで楽しい
のだから、かまわないではないか、という気がしてくる。……
合掌。
大森望・訳 「ディック傑作集1」所収。 ハヤカワ文庫。
前にどこかで読んだことがあるのを思い出した。オルハムという
男になりすましているアンドロイドを追うピーターズ。何度も逃
げられて、オルハムは自分はオルハムだと信じ込んでいる。森で火
事があった、と妻からきいたのをおもいだして、そこに宇宙船が不
時着して、アンドロイドは死んだ、とおもったと、ピーターズは
おもいつめ、その宇宙船の中に死体を見つけ、ネタバレになるが、
オルハムはオルハムじゃなかった。暗号で爆発するという爆弾は最後
に爆発し、「その爆発は、遠くアルファ・ケンタウリからも見えた」
チャンチャン。
SFのいいところは、そのストーリーに読んでいる間、自分を埋没させる
ことができる点だ、いや、SF、じゃないな、P・Kだからこそ、行間に
自分を追うことができるのだ。……合掌。
浅倉久志・訳 「ディック傑作集1」所収。
二年間、機械の整備工として働き、その間の記憶は消される。
契約を終えたジェニングスはいくつかのがらくたを現金のかわ
りに受け取る。そのがらくたどもを武器にレスリックという
会社のタイム・スクープというかつて自分が関わっていた
装置についてせまっていく。社会は管理社会の末期でサンクチ
ュアリは会社にしかない世界。タイム・スクープを開発してい
ることがバレると、警察機構に会社を取り上げられ、潰されて
しまう、というのを傘に、ジェニングスはレスリックを脅そう
とするが、がらくたはかつての自分がタイム・スクープでみて、
必要だと思ったものたちで、次々とピースがはまっていく。
ケリーという女性が手助けしてくれる。これはネタバレだが
レスリックの社長の娘はケリーだった。最後、証拠をケリーに
預けておいたのだが、父にいずれ返すからあなたの力にはなれ
ない、というケリーの前で預かり証の半券はぽっかりと空いた
穴からかぎ爪に奪い取られ、身内だけの会社だというレスリックを前に
ケリーに求婚して終わる。
カラッとしていて、楽しい短編だ。冒険活劇を読んでいるような
楽しさがった。……合掌。
「ディック傑作集1」所収。 ハヤカワ文庫
ソ連軍とアメリカ軍が戦争していたが、そこへ、クロ―
と呼ばれるマシン的なものが入りこんで、それとの戦いに
なってゆく。元々クロ―はソ連が開発したものだが、自立
して、攻撃してくるようになった。それが人間型のサイボ
ーグを作るようになって、ヘンドリックスの前に少年が現れ
るのだが、それがサイボーグだった。変種第二号っていうの
はなんだ、っていうのではなしはすすみ、ネタバレになるけど
タッソーって女が実は変種第二号で、ヘンドリックスが乗るは
ずだったロケットに乗ってしまい、人間の最後の砦、月基地(
ムーン・ベース)さえも、タッソーによって襲われてしまう、
という。荒涼とした世界観といい、マシン的な存在といい
ちょっとターミネーターを感じさせる。
荒んだ気持ちになりたいときは(そんなときあるのか?)
読むといいかもね。……合掌。