古民家ギャラリーうした・ガレッジ古本カフェ便り

古民家ギャラリーうしたと隣のガレッジ古本カフェで催している作品展、日々の発見!、書評、詩などを紹介していきます。

或阿呆の一生    芥川龍之介

2021-02-24 02:25:59 | 小説の紹介

「河童」所収。    集英社文庫

 

ミニマリズムにあふれた作品かもしれない。短いセンテンスの

 

中にイマージュや信念が入りこんでいる。

 

「人生に飽きている」と自殺の理由を述べているが、三十代後半

 

ボクも人生に飽きていた。人生に疲れていたし、もう人生なんて

 

飽き飽きした、と思っていた。その頃、丁度、本も読まなくなっ

 

ていたし、本当の意味で人生のどん底だった。いや、どん底と言

 

えば、二十代はずっとおみくじは大凶だったし、いろんな人にい

 

じめられてタイヘンだったが、タイヘンすぎて、死のうと思った

 

ことは不思議となかった。二十代のころは、37で死ぬとずっと思

 

っていた。

 

それから、40にバイトもやめてカフェを開いて、ちょっとよくなっ

 

てきて、本も読むようになったら、世界にはしらないことはまだ山ほど

 

あると気づけた。死ぬのはバカらしい、生きてみよう、と思った。37

 

で死なないでよかった。死んでいたら、今の景色は見られなかっただろ

 

う。芥川氏もタバコもやめて、もうちょっと狂人のたのしさを味わえたら

 

良かったのに、と思うのだが。……合掌。

コメント
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