古民家ギャラリーうした・ガレッジ古本カフェ便り

古民家ギャラリーうしたと隣のガレッジ古本カフェで催している作品展、日々の発見!、書評、詩などを紹介していきます。

百年の孤独     G・ガルシア=マルケス

2023-02-01 05:59:42 | 小説の紹介

鼓 直・訳   新潮社   1972年

 

30年前から読むのを切望していて、ようやく、古本で

 

手ごろな価格で手に入れることができて、読むことが叶っ

 

た。

 

昨年の12月半ばから読み始めて、約一か月かけて、ちま

 

ちまと読みすすめた。長大なホセ・アルカディオ・ブエン

 

ディーアとアウレリャーノ・セグンドに続く一族の歴史を描く。

 

ここで問題にしたいのが視点のことだ。この作品は昔風の書き

 

方で書かれているとはいえ、すべてが、等間隔で見つめられてい

 

るように思えた。豚の尻尾が生えてくることも土を食べる女のは

 

なしもすべてだ。それは、ちょっと狂気のような視点じゃないかと

 

思う。このはなし自体が、バカげていて、実にけったいなはなしに

 

満ち満ちていることを鑑みて、それは当然のことのようにも思える。

 

天才は狂っているもんだ、とも捉えられる。日本人には絶対に書けえ

 

ない魔術的な文体、めくるめくイメージの奔流に、酔うことしばし、

 

極上の読書体験となりえたのではないか。

 

      (読了日 2023年1・11(水) 21:07)

コメント
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