苦い思いで、振り返る。この国の歩みはこれでよかったのか・・・
* * * * * * * * * *
1969年。
あらら、この数字、どこかで見たと思えば、
「69」で、やっぱり学生運動が過激化した年というわけですね。
“ウェザーマン”と名乗る過激派グループがベトナム戦争反対を訴え、
連続爆破事件を起こす。
そんな中の一環で、銀行を襲撃し、警備員を殺害したグループがあった。
しかし、その事件後、グループは忽然と姿を消してしまう。
その30年後、元メンバーの一人が逮捕される。
新聞記者のベン(シャイア・ラブーフ)は、
このことをきっかけに当時の関係者をあたっていきますが、
やがてジム・グラント(ロバート・レッドフォード)という男にたどり着きます。
彼も又過激派メンバーの一人で、名を変え30年身を潜めていた。
しかし、正体を明かされたと察したジムは逃亡を開始。
FBIとベンの追跡を逃れ、ジムは何処へ行こうとしているのか・・・?
この作品、あの頃の空気を実際に体験した人でなければ
ピンとこないかもしれません。
私はまだ中学生で、何もよくわかってはいなかったと思うのですが、
学生たちの何かを変えたいという熱気、
そしてそれを苦り切った目で見る大人たち、
そういう時代の雰囲気をありありと思い出します。
ベトナム戦争反対。
単純にその通りと受け止め、大学生のお兄さんお姉さん方を応援していた私は、
この団塊世代が大人になり、社会の中心に座るときには、
世の中は変わっているのではないか・・・と期待したものでしたが、
世の中ちっとも変わりませんでした。
というよりむしろ、彼らが先に自滅していってしまったのですよね・・・。
本作の弁護士ジムは潜伏生活を30年続けたということで、
つまりはそんな苦い思いをずーっと引きずって生きてきていたわけです。
世間ではもうとうに忘れ去ってしまったというのに。
ジムばかりではありません。
この過激派グループが皆・・・。
もう、この思いを引きずることはやめにしたい。
そうでなければ、新たな道にも踏み出せない・・・
そういう思いが十分に汲み取れた感じです。
でも、今作でよかったのは、若い人たちを配したことですね。
自らの調査で彼らの心情を汲む新聞記者ベン。
彼らの娘たち。
世の中を変えていく新しいエネルギーの芽生えのようなものを感じます。
ロバート・レッドフォード監督の願いのようなもの。
ジムが昔の仲間の女性にあった時。
「老けたわね。」
「でも、君は変わらないね」
いや、やっぱり年齢は隠せないと思うのだけれど、
しれっとこういうセリフをはけるところが、やっぱりカッコイイのだわ―!!
それと、本作の原題は“The Company You Keep”なのですが、
「ランナウェイ」よりも、こちらのほうが、やはりしっくり来ます。
「ランナウェイ/逃亡者」
2012年/アメリカ/122分
監督:ロバート・レッドフォード
出演:ロバート・レッドフォード、シャイア・ラブーフ、ジュリー・クリスティ、テレンス・ハワード、スーザン・サランドン、リチャード・ジェンキンス、クリス・クーパー
時代の振り返り度 ★★★★★
満足度★★★★☆
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1969年。
あらら、この数字、どこかで見たと思えば、
「69」で、やっぱり学生運動が過激化した年というわけですね。
“ウェザーマン”と名乗る過激派グループがベトナム戦争反対を訴え、
連続爆破事件を起こす。
そんな中の一環で、銀行を襲撃し、警備員を殺害したグループがあった。
しかし、その事件後、グループは忽然と姿を消してしまう。
その30年後、元メンバーの一人が逮捕される。
新聞記者のベン(シャイア・ラブーフ)は、
このことをきっかけに当時の関係者をあたっていきますが、
やがてジム・グラント(ロバート・レッドフォード)という男にたどり着きます。
彼も又過激派メンバーの一人で、名を変え30年身を潜めていた。
しかし、正体を明かされたと察したジムは逃亡を開始。
FBIとベンの追跡を逃れ、ジムは何処へ行こうとしているのか・・・?
この作品、あの頃の空気を実際に体験した人でなければ
ピンとこないかもしれません。
私はまだ中学生で、何もよくわかってはいなかったと思うのですが、
学生たちの何かを変えたいという熱気、
そしてそれを苦り切った目で見る大人たち、
そういう時代の雰囲気をありありと思い出します。
ベトナム戦争反対。
単純にその通りと受け止め、大学生のお兄さんお姉さん方を応援していた私は、
この団塊世代が大人になり、社会の中心に座るときには、
世の中は変わっているのではないか・・・と期待したものでしたが、
世の中ちっとも変わりませんでした。
というよりむしろ、彼らが先に自滅していってしまったのですよね・・・。
本作の弁護士ジムは潜伏生活を30年続けたということで、
つまりはそんな苦い思いをずーっと引きずって生きてきていたわけです。
世間ではもうとうに忘れ去ってしまったというのに。
ジムばかりではありません。
この過激派グループが皆・・・。
もう、この思いを引きずることはやめにしたい。
そうでなければ、新たな道にも踏み出せない・・・
そういう思いが十分に汲み取れた感じです。
でも、今作でよかったのは、若い人たちを配したことですね。
自らの調査で彼らの心情を汲む新聞記者ベン。
彼らの娘たち。
世の中を変えていく新しいエネルギーの芽生えのようなものを感じます。
ロバート・レッドフォード監督の願いのようなもの。
ジムが昔の仲間の女性にあった時。
「老けたわね。」
「でも、君は変わらないね」
いや、やっぱり年齢は隠せないと思うのだけれど、
しれっとこういうセリフをはけるところが、やっぱりカッコイイのだわ―!!
それと、本作の原題は“The Company You Keep”なのですが、
「ランナウェイ」よりも、こちらのほうが、やはりしっくり来ます。
「ランナウェイ/逃亡者」
2012年/アメリカ/122分
監督:ロバート・レッドフォード
出演:ロバート・レッドフォード、シャイア・ラブーフ、ジュリー・クリスティ、テレンス・ハワード、スーザン・サランドン、リチャード・ジェンキンス、クリス・クーパー
時代の振り返り度 ★★★★★
満足度★★★★☆