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映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

「合葬」杉浦日向子

2015年10月21日 | コミックス
文庫版は辛いよ・・・

合葬 (ちくま文庫)
杉浦 日向子
筑摩書房


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江戸の終りを告げた上野戦争。
時代の波に翻弄された彰義隊の若き隊員たちの生と死を描く歴史ロマン。
日本漫画家協会賞優秀賞受賞。


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本作は映画を見てから興味を持ってみました。
著者は杉浦日向子さん。
漫画家であり江戸風俗研究家であり、エッセイストでもある。
才能あふれる方ですが2005年に46歳で病のため亡くなっています。
本作は1984年日本漫画協会賞最優秀賞を受賞しています。


・・・と、わかったようなことを書いていますが、
実のところ私はこれまでに著者の本は読んだことがなく、
よく知らなかった、というのが正直なところ。
「ガロ」で描いていたのですね。
いやはや、自分でコミックファンだとか言っていながら
実は「ガロ」は全然読んでいなくて、
なにがコミックファンだよ、インチキじゃん、
ということがすっかり露呈してしまいますね・・・。


そうそう、つい最近読んだ梨木香歩さんのエッセイ「不思議な羅針盤」の中で
杉浦日向子さんのことに触れていまして、
同年代なのに、惜しい方を亡くした
というようなことが書かれていました。
そういえば最近見たいと思いながら見逃していたアニメ「百日紅」も
この方の著作じゃありませんか!!
何やら今更ですが、運命が私に杉浦日向子を読め!
と促しているようであります。
もっといろいろ読んでみたい。


余計なことばかり書いてしまいました。
さて、本作、映画も良かったですが、
原作はさすがにもっとディティールまでも見どころがあって、堪能しました。
・・・が、しかしです。
私が見たこの文庫版。
中高年にはキビシイ!!
じ、字が・・・細かくて辛い…(T_T)
せっかく、他の作品も読む気満々なのですが、
文庫版は無理!!


あー、つい本題からそれますね。
ストーリーは映画版の方を参考していただくことにして、ご勘弁を。
→映画「合葬」


武士といえば、敵討ちや切腹は日常茶飯事あたり前、
みたいな気がしていましたが、
本作、いきなり柾之助が敵討ちを命じられ、逃げ出す。
写真を撮るシーンでは
当時の写真は写すのに時間がかかるので、
顔が動かないように首を支える道具があったりする。
展開が私達の知っている「江戸物」とは一線を画していて、
なんとも興味深いのです。
なんだか嵌りそうです。
それにしても文庫版がダメとなると古本をあたったほうが良さそうですね・・・。

「合葬」杉浦日向子 ちくま文庫
満足度★★★★☆