荒廃した地球で、モノを言うのはやはり“情報”
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ケビン・コスナーの監督兼主演作品。
世界大戦により荒廃した文明を描く近未来のストーリー。
1997年作品で、描かれているのが2013年の地球。
あらら・・・、とっくに過ぎていますが、
まあ本作のような未来にならなくてよかったとホッとさせられます・・・
が、相変わらず核保有で国威をひけらかそうとする国もあることですし、
いつ本作のような事になってもおかしくはないのかもしれません・・・。
さて本作、無政府状態で生き残った人々は、
近隣と連絡を取れないまま、小さな集落を作って暮らしています。
つまりこの世界では電気が失われてしまっているのです。
すなわち雰囲気はほとんど西部劇のような感じと思えばよろしい。
ただし最近まで人々は機械文明を享受していたのです。
いたるところに動かなくなった自動車の残骸がそのままになっていたり、
ごく稀にまだ作動する発電機があって、僅かな電力を得ることもできるのです。
多分燃料が流通しなくなり、すべてが駄目になってしまったのだろうと想像します。
主人公の男(ケビン・コスナー)は、そんな世界をさまよい歩く旅人として登場しますが、
ある時、一帯を支配するホルニスト集団に捕らえられてしまいます。
べスリヘム将軍が一帯の集落を武力で支配しており、
無理やり男たちを捕らえては自分たちの兵に仕立て上げているのです。
男は辛くもこの軍を脱走し、森のなかで白骨化していた郵便配達人を見つけます。
男はこの死体の着衣と手紙の入ったカバンを拝借し、
「ポストマン」と称して、パインヴューと言う街に逃げ込みます。
・・・という「ポストマン」の由来にたどり着くまでに、かなりの時間を費やすのですが、
なんと本作、全編で176分。
長すぎ・・・。
意外にもこのポストマンはテキトーな口先男でして、
「新政府ができて、自分はその政府から郵便配達人として認定された」などと言って、
人々から称賛を受けてしまったりするのです。
しかし、そのことが逆に自分を規制してしまい、
本当の「ポストマン」として、べスリヘム軍と闘わなければならなくなるという・・・、
まあ、そんな物語です。
あらくれの無法者に牛耳られている村を救う・・・、つまりやはり西部劇なんですね。
今でこそ、人々の情報のやり取りは地球の裏側とでもあっという間。
けれども、もし「電気」そのものがなかったとしたら、
人々の情報のやり取りは手紙に頼るほかはない。
そしてその手紙を運ぶことが大変貴重な仕事となる。
・・・今更ではありますが、そんなありがたみを再確認もした次第。
いやそれにしても、こんなに長くなくてもいいのに・・・。
<WOWOW視聴にて>
1997年/アメリカ/176分
監督:ケビン・コスナー、ウィル・パットン、ラレンズ・テイト、オリビア・ウィリアムズ
近未来度★★☆☆☆
西部劇模倣度★★★★☆
満足度★★.5