臨死体験とは
* * * * * * * * * *
1990年版「フラットライナーズ」のリメイク。
私は割と近年そちらを見ているので、この度ついでに、という感じで拝見。
医学生が臨死体験の実験を行うという設定はそのままです。
臨死体験を自分自身で体験してみようという医学生・コートニー(エレン・ペイジ)は、
他の4名の学生を集め、病院の地下で密かに実験を始めます。
自らの心臓を止め、数分後に皆に蘇生してもらうのです。
実験はなんとか成功。
その後コートニーは昔読んだ医学書の細部の記憶を蘇らせたり、
以前習ったきりのピアノ曲を弾いてみせるなど、超常的な力を発揮しはじめます。
それを見た仲間たちも、コートニーに引き続いて臨死体験に望みます。
しかしそんな時、コートニーは昔事故で亡くなった妹の姿を見かけるようになっていたのです・・・。
心臓が停止している学生たちの見るものは、それぞれです。
よく言われるように、川の向こうで懐かしい人が手招きをしていたり、神々しい光に包まれたりはしません。
むしろなにか底知れない恐怖に縁取られているようでもある。
それは彼らがこれまで生きてきた中で、最も気になっている自分の行い、
罪悪感にかられていることのかたちであることが次第にわかってきます。
そして主役と思っていたコートニーの意外な運命!!
見ていても絶望的な思いにとらわれてしまいましたが・・・。
けれど因果応報がはっきりしていて、論理的に対処法が取られるところがわかりやすい。
でも、そのように理詰めではっきりわかりすぎるところが逆につまらなく、
ミステリ風味も損なわれていることも否めません。
何かわからないものはわからないままに・・・、そういうところも必要ではないかと。
それで考えてみれば本作での「臨死体験」というのはつまり、
その人の生涯で最も悔いが残ることを追体験したり、
傷つけた相手から呪われたりすることだというわけなのでしょうか・・・?
それではあんまりだわ・・・という気がします。
そんなことがないように生きればいいのでしょうけれど・・・、
後ろめたいことの一点もない人生なんてありますかね・・・。
あ・・・でも1990年版の記事を読み返して気がついたことがあります。
臨死体験は本当はまだ続くのでしたよね。
それなのに彼らは無理やり途中で引き返してきてしまったから問題が起きたのでしたっけ・・・?
興味がある方は、こちらへ→「フラットライナーズ(1990年)」
1990年のオリジナル版で医学生を演じたキーファー・サザーランドが教授役で出演しています。
【Amazon.co.jp限定】限定フラットライナーズ (オリジナルカード付) [DVD] | |
エレン・ペイジ,ディエゴ・ルナ,ニーナ・ドブレフ,ジェームズ・ノートン,カーシー・クレモンズ | |
ソニー・ピクチャーズエンタテインメント |
<WOWOW視聴にて>
「フラットライナーズ(2017年)」
2017年/アメリカ/110分
監督:ニールス・アルデン・オプレブ
出演:エレン・ペイジ、ディエゴ・ルナ、ニーナ・ドブレク、ジェームズ・ノートン、カーシー・クレモンズ
ホラー度★★★★☆
満足度★★★☆☆