きのこの生える場所の違いって?
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森のきのこ、きのこの森 |
白水 貴 | |
玄光社 |
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本書は、森に生えるきのこのビジュアルブックです。
150点を超える掲載写真は、きのこのかわいらしさや美しさに加え、
現代の日本では貴重な人の手がほとんど入っていないような
森の雰囲気を同時にお楽しみいただけます。
きのこを生態環境別(針葉樹、広葉樹、虫から生える冬虫夏草など)に語るエッセイ、
きのこガイドのほか、きのこ女子によるコラムなど?
森ときのこの魅力がたっぷり詰まった一冊になります。
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きのこフェチの私、こんな本を読んでみました。
読むというよりも、写真を眺めるという感じですけれど。
この本の著者、新井文彦さんは糸井重里さんのインターネットサイト・ほぼ日刊イトイ新聞で
「きのこの話」を連載中です。
北海道の阿寒湖周辺や東北地方の白神山地、八甲田山周辺を中心としたきのこ類の紹介をしています。
ひたすら不思議で美しいきのこを愛でるだけでも十分なのですが、
きのこについて解説もちゃんとしてあるので、少し真面目に読んでみましたよ。
認識を改めました、きのこの分類について。
大きく3つに分けられ、本巻でもその区分ごとに紹介があります。
★まず、枯れ木や倒木に生えるきのこ。
木材腐朽菌。
枯れ木や倒木の分解に貢献しています(シイタケ、マイタケなど)。
これがなければ森は倒木だらけ。
★地面に生えるきのこ。
これは地面から生えているようで実は地中の樹木の根とつながっていて
お互いに栄養のやり取りをしている。
つまり共生関係にあってこれを菌根菌という。
この菌根菌類は人工栽培が難しいそうで、マツタケとかヤマドリタケ(ポルチーニ茸)など、
天然物を採るしかないので高い!というわけ。
地面に生えるものは、他に落ち葉から生えるものもあります。
★その他多種多様なものから生えるきのこ
生きた木に寄生するもの・・・つまり分解するのではなくて
ただ養分を横取りするわけですね。
ナラタケなど。ひどくなると木が枯れてしまいます。
虫に寄生するもの(冬虫夏草)とか、他のきのこに寄生するものまでいろいろ・・・。
それぞれのきのこが特定のところから生えているのはわかっていましたが、
正しくこのような違いがあるなど今まで考えたこともなかった。
・・・はい、ぼ~っと生きてました!
この方の著作はまだ他にもあるので、引き続き見るつもりです。
図書館蔵書にて
「森のきのこ、きのこの森」新井文彦 玄光社
満足度★★★★☆