映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

黒い箱のアリス

2019年06月02日 | 映画(か行)

片腕の時をかける少女

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近未来。父と暮らし、義手をつけた少女アリス。
義手は精巧なロボットの手のようで(「インハンド」だ!)、
まだ新しくつけたばかりなので練習をつまなければ、自分の手のようには動かせないのです。

この時、「強く思う」ことがコツだと言うのですが、
このことが後の展開で重要なポイントであります。
そしてなんとアリスは白い犬を「ママ」と呼んでいます。
犬は人の言葉を話す装置をつけているので、実際に母親のような受け答えをします。
ソフトバンクかい!と思わずツッコミを入れたくなります。
ただしこれはパロディではなくて、ストーリーを追ううちに、
父親が起こした交通事故で母は亡くなり、
アリスもそのときに片腕をなくしたことがわかってきます。
アリスが犬を「ママ」と呼ぶのは、若干父親への当てつけもありそうです。

ある日、アリスは森の中で巨大な黒い直方体の箱のようなものを見つけ、
その中から一通の手紙を発見します。
手紙にはどう見ての彼女の自筆で「彼らを信じないで」と書いてある。
その後、父親が森で倒れていた姉弟を家に連れてきます。「
彼ら」とは、この二人のことなのか・・・?



SFスリラーなんですね。
硬質でひんやりとしたイメージが全体に漂います。
森のなかの奇妙な作りの一軒家。
これがまた、独特の雰囲気を作っていますねえ。
アリスが森で見つけた黒い箱は、つまりタイムマシンであったようです。
これを利用してアリスは時を行き来することになります。
あまりにも無機質的で静かな作品なので、かなり眠気を誘われましたが、
ストーリーとしては結構面白かった。



黒い箱のアリス [DVD]
ロウェナ・マクドネル,ジュリアン・ニコルソン,エデ・リサンデル,マーク・ピゲネル
TCエンタテインメント



<WOWOW視聴にて>
「黒い箱のアリス」
2017年/スペイン/106分
監督:サドラック・ゴンザレス=ペレジョン
出演:ロウェナ・マクドネル、ジュリアン・ニコルソン、エディ・リサンデル、マーク・ピゲネル、ウィル・ハドソン

硬質度★★★★☆
満足度★★★☆☆