煙すぎる・・・
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久喜文宏は10歳の時、父から衝撃的なことを聞かされます。
久喜家は代々「邪」の家系で、文宏も純粋悪となることを望まれて生まれた存在なのだ、と。
父は、悪になるための教育として「お前に地獄を見せる」と宣言。
それは久喜家の養女・香織を損なうことであるという。
その後、思いを寄せる香織を救うために、文宏は父を殺害。
香織の前からも姿を消し、新谷弘一(玉木宏)という別人として生まれ変わり、
密かに香織(新木優子)を見守ります。
そんなところへまた、久喜家の本質である「巨悪」が現れて・・・
原作が中村文則さん。
ということで、本作は多分この映画よりも本を読んだほうが
もっと楽しめるのではないかと感じました。
というのも、この久喜家のこと。
「邪」とか「巨悪」とか・・・、どうもそのへんの描き方が弱い気がするのです。
もっと底知れない恐ろしさ、闇、残虐さ等が描かれなければ物語全体に説得力が出ません。
原作本であればおそらく、イヤというくらいそのへんが
底しれない感じに表現されているのではないかと・・・
まあ、勝手に私が想像しているだけですけれど。
とはいえ、ちょうどその時、テロ組織による連続殺人事件が起こっていたり、
また、文宏が身を入れ替えた新谷が犯した過去の罪を暴こうとする刑事が現れたり、
話が絡み合っているのは面白い。
吉沢亮さんもワイルド風味でカッコよかったですし!
もう一つ気になったのが、新谷、つまり玉木宏さんのタバコを吸うシーンが多すぎる、ということ。
私は特別に嫌煙権論者ではありませんが、
昨今、テレビでも映画でも喫煙シーンがほとんど出てこないので、
そうしたシーンがでてくるだけで、「アレ?」と思うのです。
しかるに本作、玉木宏さんが出れば必ずタバコを吸い始める。
いくらなんでも多すぎる。
しつこい。
玉木宏さん自身のイメージダウンにもなってしまいそうだ・・・。
ということで、なんだかなあ~という作品。
ところで、このストーリー、たまたまですが先日見たTVドラマ「インハンド」の
一つのエピソードを思い出してしまいました。
ある地域で、代々凶悪な人物が生まれるという・・・。
「人の性格を決定するのは遺伝子なのか、環境なのか」というテーマを扱っていて、
本作と似ています。
おまけにどちらも柄本明さんが出演していて、
今思い出そうとするとどっちがどっちなのか、よくわからなくなってくるくらい・・・。
全く個人的な、「たまたま」なんですが。
<WOWOW視聴にて>
悪と仮面のルール
2018年/日本/138分
監督:中村哲平
原作:中村文則
出演:玉木宏、新木優子、吉沢亮、中村達也、光石研、柄本明
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玉木宏,新木優子,吉沢亮,中村達也,光石研 | |
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喫煙頻度★★★★★
満足度★★☆☆☆