課題の多い父子関係
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先日見た「インスタントファミリー」に引き続きまして、「養子」の話です。
といってもこちらの方がもっと古い作品ですが。
グラハム・ホルト(ウィリアム・ハート)は40をすぎても独身。
田舎町の郵便局を開いています。
グラハムは自分は両親の失望の元だったと感じており、
その母はすでに亡く、父は寝たきりになっています。
ソリが会わず、そして今はすでに言葉も通じなくなっている父の介護と
単調な郵便局の仕事の毎日の中で、
グラハムは、ふと養子縁組みの広告を見てを心が動くのです。
その少年ジェイムズは、刑務所に入っている父を狂おしいほどに慕っています。
幼い頃父と過ごした数日間の記憶が強烈に彼を支配している。
亡くなった母親の記憶も相まってか、自傷・自殺癖もあり、通常よりもかなり扱いが難しい。
周囲の人々もこの二人の親子縁組みをかなり不安視しています。
そして実際、大変なことばかり・・・。
しかしそれでも、ようやく二人が互いを受け入れられるようになったとき、
突然ジェイムズの父親が現れるのです・・・。
父親に愛されたかったのに愛されなかったグラハム。
父に愛されてはいたけれどほとんど不在で満たされなかったジェイムズ。
こんな二人が、父と子になろうとするのは、実は自然なことなのでしょう。
結局は、血のつながりよりも心のつながりの方が大事のもののようです。
ただし、血のつながりは良くも悪くも断っても断ちがたいのが問題なのですが。
ここでも養父になるために、まず講習を受けて、
幾度か会って里子になって・・・という手順は同じでした。
まさしく、犬の子をもらうように簡単にはいきません。
実の父か、養父か、
心が揺れるジェイムズにグラハムは言います。
二番目(セカンド・ベスト)なんかイヤだ、と。
そういう率直な言葉が、互いに必要なのですね。
<Amazonプライムビデオにて>
「セカンド・ベスト」
1994年/アメリカ/
監督:クリス・メンゲス
原作・脚本:デイヴィッド・クック
出演:ウィリアム・ハート、プルネラ・スケイルズ、ジェーン・ホロックス、
アラン・カミング、クリス・クレアリー・マイルス
父子の愛憎度★★★★☆
満足度★★★★☆