映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

ビューティフル・マインド

2021年03月09日 | 映画(は行)

数奇な数学者の人生

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ゲーム理論の基礎を築いたノーベル賞数学者、ジョン・ナッシュの半生を描きます。

天才数学者、ナッシュ(ラッセル・クロウ)は
周囲から変人扱いされながらも大学院で研究に没頭しています。
人付き合いは苦手な彼ではありますが、時に、ルームメイトのチャールズに励まされたりもする。
やがて研究機関に職を得て、結婚もしたナッシュ。
しかし、ロシアの暗号を解くという機密任務に当たることになり・・・。

ジョン・ナッシュは実は統合失調症なのです。

本作はナッシュの視点で描かれており、
ある日突然、これまで自分がなんの疑いもなく受け入れていた現実が、
幻想だったという驚愕を、私たちも彼と同時に味わうことになります。

なんという脳の働きの不思議。
人並み外れた数学的ひらめきを持ちながら、あり得べきでない人物の存在をも作り出す・・・。
頭脳明晰な人物であればなおさら、自分の異常性を受け入れがたくもあったでしょう・・・。
下手をすれば一生精神病院で過ごすこともあり得たのかもしれない。
でも、彼を支えた妻(ジェニファー・コネリー)の存在がすばらしい・・・。
彼女は逃げ出してもおかしくないところだったのですが、
踏みとどまり、彼を支える決心をします。

生涯その病と向き合いながら、それでも数学とともにいて、
ついには周囲の人々の尊敬を集め、ノーベル賞受賞までする。

この人生に、熱い拍手を送りたくなります。

 

本作も、かなり以前に見てブログ記事になっていなかったものです。
何故か、そういう作品ほど心の中に残っている気がします。
詳しく文章に書くことはつまり忘れる為の作業である、と、
以前本で読んだことがあって、本当にその通りだなあ、と思う次第。

<Amazon prime videoにて>

「ビューティフル・マインド」

2001年/アメリカ/136分

監督:ロン・ハワード

出演:ラッセル・クロウ、ジェニファー・コネリー、エド・ハリス、クリストファー・プラマー、ポール・ベタニー

 

数奇な人生度★★★★★

満足度★★★★★