一週間で消えてしまう、記憶
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高2の長谷祐樹(山崎賢人)は、同級生藤宮香織(川口春奈)に心惹かれ
思い切って「友だちになってください。」と声をかけます。
ところが答えは「ごめんなさい。」
香織は一週間しか記憶が保たないという障害を抱えているというのです。
それでも香織の側にいたいと思う祐樹は、交換日記を提案。
祐樹が学校であったことなどを日記に書いて、
香織が後に確認できるようにしたのです。
そのおかげで次第に距離が接近していく2人ですが、
そんな時、以前の香織を知る九条(上杉柊平)が転校してきて・・・。
記憶が一定期間しか保たない、という設定の物語はありがちです。
この場合の香織は、事故が原因ということではありながら、
どうやら心因性のものもありそうなのです。
というのも、香織は月曜から金曜までの学校の出来事の記憶が、
次の月曜の朝には失われている。
しかし、学習したことは残っている。
主に友人たちとのことを忘れているのです。
せっかく友だちとなっても、次の月曜には名前も忘れている、ということなので、
香織はひたすら誰とも親しくならず、孤独に毎日を過ごすことにしていたわけです。
そんな原因は、以前の香織の身の上に起きた出来事にありそう。
一体彼女に何が起こったのか、
そういう秘密を解きほぐしていく物語なのでした。
祐樹の、明るさ、人の良さが救い。
いいですよね、こういうの。
そんな彼だから、類は友を呼ぶというわけか、友人たちもいいやつばかり。
香織の事情を知っていて、2人のことを密かに見守るという教師(戸次重幸)もいい感じ。
この高校はイイ!
結局香織は九条の名前だけは覚えていた(!)ということから、
身を引いて見守ることに徹する祐樹のうら寂しい高校生活後半。
うわー、しみじみ来ます。
祐樹は漫画研究部に入っていて、絵が得意。
そんな彼が、図書館の余白の多い分厚い本を借り出して、
せっせと何か書き込んでいる。
そのエピソードこそが最後の最後に生きてきます。
鉄拳さんのパラパラ漫画同様に、泣けます!!
<WOWOW視聴にて>
「一週間フレンズ。」
監督:村上正典
原作:葉月抹茶
脚本:泉澤陽子
出演:川口春奈、山崎賢人、松尾太陽、上杉柊平、高橋春織
青春度★★★★★
満足度★★★★☆