映画と本の『たんぽぽ館』

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Summer of 85

2022年08月08日 | 映画(さ行)

少年たちのひと夏の恋

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16歳と18歳の少年の人生を変えたひと夏の恋を描きます。

ヨットで1人沖に出た16歳アレックス(フェリックス・ルフェーブル)。
突然の強風で転覆してしまいます。
そこを、18歳ダヴィド(バンジャマン・ボワザン)に救出されます。
やがて2人の友情は深まり、恋愛感情に発展。
アレックスには初めての恋でした。

ダヴィドは「どちらかが先に死んだら、残された方はその墓の上でダンスを踊る」と言い、
2人で約束を交わします。
ある夜、移り気なダヴィドに腹を立てたアレックスは
けんか別れするのですが、その後ある事件が・・・。

 

原作はエイダン・チェンバーズ「俺の墓で踊れ」。

フランソワ・オゾン監督が17歳で原作に出会い、心動かされ、
それから35年を経て映画化されたものです。
舞台は仏・ノルマンディーの海辺の町。
題名の通り1985年。
ノスタルジックです。


この時代だと同性愛はもっとセンセーショナルなのでは?と思うところもありますが、
この2人は特にそういうことにこだわりを持っていないように見えます。
自分はちょっとおかしいのではないか?などと言う方向の悩みはなくて、
ひたすら相手を欲するそのまっすぐさが、むしろ心地よい。
ま、双方美少年なので絵になりますし・・・。

でもそうであれば、ひたすら心はまっしぐらになるはずなのに、
ちょっとした遊び心とか気の迷いとかは、異性間の恋愛同様にあるワケですね。
ダヴィドは強がってみても、所詮まだ18歳。

青く震える心が、しみじみ来ます・・・。
美しく、哀しい物語。

<WOWOW視聴にて>

「Summer of 85」

2020年/フランス/100分

監督・脚本:フランソワ・オゾン

原作:エイダン・チェンバーズ

出演:フェリックス・ルフェーブル、バンジャマン・ボワザン、
   フィリッピーヌ・ベルジュ、バレリア・ブルーニ・テデスキ

 

同性愛度★★★★★

衝撃度★★★☆☆

満足度★★★★☆

 

 



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