映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

眠りの地

2024年11月16日 | 映画(な行)

大企業のやり口を暴け

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実話をもとにしています。

葬儀社を営むジェレマイア・オキーフ(トミー・リー・ジョーンズ)。
近年、資金繰りに困っていて、会社の一部を大企業に売却しようと考え、
大手企業と契約を結ぼうとしたのですが、相手方からの書類が戻って来ません。
どうやら、相手方ローウェン・グループの悪意あるたくらみようなのです。

オキーフは代々つづく家業をこの巨大企業ら守るため、
訴訟を起こすことを決意します。
そこで、近年負けなしというカリスマ弁護士、ウィリー・E・ゲイリーを雇います。
正反対の性格の2人ですが、
大企業の腐敗や人種的不公平を共に暴いていくうちに、絆が芽生えはじめます。

ウィリーはこれまで契約関係の弁護経験がなかったのですが、
この度初めて取り組むことに。
本当に大丈夫なのか?と思いますが、本人はとにかくハッタリめいた強気な主張で
これまで勝ち抜いてきたので自信満々。
多大な賠償金を相手方に要求します。

さて、見ていて気づくのは、この裁判では契約のあり方について、
針の穴に糸を通すような小難しい法解釈を用いたりしない。
どうやって陪審員の関心と共感を呼び、味方に付けるかというのが主題。

この裁判所の地域は黒人が多い地域で、陪審員もほぼ黒人。
そんな中で、弁護士が黒人で、オキーフ自身も差別意識がないというのは有利な条件。
でも、もっと決定的な決め手は相手方にありました。
巨大企業の悪質なやり方をウィリーらは暴いていく・・・。

ということで、陪審員たちの気持ちは一気に反ローウェン・グループへと傾いていく・・・と。

訴訟の本題とは異なるところで、こうしたことが決定していって良いのかな?
と疑問に思わなくもないのですが、
それにしても大企業の悪質なやり口を目の当たりにしたら、
やっぱり小さな企業を勝たせるのが正義とも思えてきます。

陪審員制度って、どうなのか。
難しいところではあります・・・。

<Amazon prime videoにて>

「眠りの地」

2023年/アメリカ/127分

監督:マギー・ベッツ

原作:ジョナサン・ハー

脚本:ダグ・ライト、マギー・ベッツ

出演:トミー・リー・ジョーンズ、ジェイミー・フォックス、
   ジャニー・スモレット、ママドゥ・アティエ、パメラ・リード、アラン・ラック

大企業の真実度★★★★☆

陪審員重要度★★★★★

満足度★★★.5