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カラダ探し

2023年09月10日 | 映画(か行)

ホラー×スプラッタ×青春

* * * * * * * * * * * *

小説投稿サイト「エブリスタ」で話題を集め、2014年にはマンガ化もされた作品。

 

7月5日。

明日香(橋本環奈)は校内で、いるはずのない少女と出会い
「私のカラダ、探して」という言葉をかけられます。
その日の夜、午前0時。
気がつくと明日香は深夜の学校にいました。
そこには、幼馴染みだけれど今は疎遠になっている高広(眞栄田郷敦)と、
あまり接点のないクラスメート4名も共にいました。
そこへ現れたのが、全身が血で染まった少女「赤い人」。
赤い人は彼女らに襲いかかり、次々に6人を惨殺してしまいます。

さて、その直後、明日香は自宅のベッドで目を覚ましましたが、
その日は再び7月5日。

6人は、同じ日を繰り返すことになるのです。
そのバグから抜け出すためには、
少女のバラバラにされた体をすべて見つけ出さなければなりません。

明日香たちは夜毎赤い人の襲撃を避けながら、
少女の体を学校中探し回りますが・・・。

まるでホラーかスプラッタのゲームのような夜毎のシーン。
しかし明日香たちは日中の学校生活も同じ毎日を繰り返します。
彼女たち6人以外の人々の言動はいつも同じ。
けれど6人だけは同じ日を繰り返していることを自覚しています。
はじめはよそよそしく打ち解けない6人だったのですが、
毎日を繰り返し、同じ敵に立ち向かううちに
次第にチームワークや親しみが湧いてきます。

いつしか、朝、車に轢かれるネコを助けたり、
教室で起こるいじめめいたいたずらを阻止したり、一致団結していく。
放課後から深夜までは安全で自由な時間。
いつの間にか、日中彼らが共にいるシーンは、美しい青春のシーンとなっています。
そもそもなぜこのゲームに彼ら6人が召喚されてしまったのか、
そのことを思うと実にほのぼのしてしまうシーン。

しかし、それとは裏腹に、夜のシーンは実に恐ろしい・・・。

後にまた7月5日の朝にリセットされるのだと分かってはいても、
死ぬ間際の苦痛はやはり苦痛に違いないでしょうに・・・。

しかも、途中から赤い人がバージョンアップをして、より凶暴になってしまうのです。
絶体絶命の明日香たちは、赤い人の体をすべて見つけ出すことができるのか・・・?

ホラーとスプラッタだけではなく青春のパーツも楽しめる。
とてもユニークな作品でした。
嫌いじゃありません。

<WOWOW視聴にて>

「カラダ探し」

2022年/日本/102分

監督:羽住英一郎

原作:ウェルザード

出演:橋本環奈、眞栄田郷敦、山本舞香、神尾楓珠、醍醐虎汰朗、横田真悠、柄本佑

 

ホラー度★★★★☆

スプラッタ度★★★★☆

青春度★★★★☆

満足度★★★★☆



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