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オペレーション・ミンスミート ナチを欺いた死体

2023年03月20日 | 映画(あ行)

実際に行われた、奇跡のような作戦

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先日「エンパイア・オブ・ライト」で、とんでもないコリン・ファースを見てしまったので、
「お口直し」という感じで。

第二次世界大戦下で実行された奇想天外な作戦を実話に基づいて描く、スパイサスペンス。

1941年。
劣勢となっている英国軍は、イタリア、シチリアの攻略を目指しているのですが、
シチリア沿岸はドイツ軍の防備で固められています。

英国諜報部(MI5)は、状況を打破するため、驚くべき策をチャーチル首相に提案。
それが、オペレーション・ミンスミートです。
すなわち、「イギリス軍がギリシャ上陸を計画している」という
偽造文書を持たせた死体を地中海に流し、ヒトラーを騙そうとするもの。
この偽情報をドイツ軍が信じて、軍をシチリアからギリシャ方面へ移動すれば、作戦成功です。

この作戦はヨーロッパ各国の二重・三重スパイをも巻き込み、
スリルたっぷりの展開となっていきます。

 

まずは、機密文書を持つような、ある程度上級の兵士に見える適当な「死体」を見つけなければなりません。
発案者でありその任に当たる、モンタギュー(コリン・ファース)らは、
その架空兵士のニセの人生や恋人まで創り上げ、リアルな人物造形を持たせます。

いよいよ死体を海に流してからも、彼が持つ「文書」が、
ナチスの手に入らないよう画策するフリをしつつも、
うまく敵方の手に入るようにと苦労するあたりも手に汗を握ります。

また不確定要素としては、ソ連のスパイの存在。
ソ連は一応同盟国ではあるのですが、共産主義の彼らをどうも信用することができない、
と彼らは思っているのです。
ところが最後の最後にこの作戦がソ連に知られてしまった・・・?
このことがどう転ぶのか・・・?

ほとんど最後は神頼みのようになるのですが。
実際に行われた作戦であるというのがなんとも、逆に恐いような話です。

実際に諜報部出身で、後に「007」シリーズを書き上げた、
イアン・フレミングが登場するのが、なんともステキ!!

<WOWOW視聴にて>

「オペレーション・ミンスミート ナチを欺いた死体」

2022年/イギリス/128分

監督:ジョン・マッデン

原作:ベン・マッキンタイア

出演:コリン・ファース、マシュー・マクファディン、ケリー・マクドナルド、
   ペネロープ・ウィルトン、ジョニー・フリン、ジェイソン・アイザックス

 

奇想天外作戦度★★★★★

スリル度★★★★☆

満足度★★★★☆

 



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