自虐ネタ満載。けど、お尻の話はしんどい。
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『桐島、部活やめるってよ』で鮮烈のデビューを飾り、
『何者』で戦後最年少の直木賞受賞作家となった著者が、
「ゆとり世代」の日々を描くエッセイシリーズ。
雑誌・新聞連載のエッセイに加え、悶絶の痔瘻手術体験を綴った「肛門記」を収録。
後日談「肛門記~Eternal~」は文庫オリジナル。
ひたすら楽しいだけの読書体験をあなたに。
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朝井リョウさんのエッセイです。
何と、予想以上に面白い。
というか、ほとんど三浦しをんさんに匹敵する自虐ネタ満載。
中で、著者はさくらももこさんのエッセイの大ファン、という一文があり、
私には興味深く思われました。
実のところ、私、彼女のエッセイがあまりにも読後に「何も残らない」のが物足りなくて、
あまり評価していませんでした。
というよりむしろ否定していました。
けれども、著者はその「何も残らない」事を受け入れた上で、評価していたようです。
(私には、あまりお手本にしてほしくないところではある。)
でもまあ、こんなご時世なので、あっけらかんと笑って過ごす時間は大切かもしれません。
無用の用という言葉もありますしね・・・。
そして本巻で壮絶なのが「肛門記」。
著者の痔瘻手術体験記です。
痔瘻というのは痔よりももっと症状がひどいもので・・・、
まあ、読めばわかります。
その痛さに耐える壮絶な日々とか通院とか入院、手術のこと・・・
とにかく人にはあまり言いたくない話だと思うのですが、
赤裸々かつ壮絶な闘病のことが描かれています。
なんだか自分のお尻のあたりがチクチクしてくるような・・・。
あ~、ダメだ。
私すぐにこういうのに影響されてしまうのです・・・。
「風と共にゆとりぬ」朝井リョウ 文春文庫
満足度★★★☆☆
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