日本は不思議の国?
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「雨月物語」などで知られる溝口健二監督へのオマージュを込めた作品。
フランスの作家シドニ(イザベル・ユペール)のデビュー小説「影」が
日本で再販されることになり、出版社に招かれて訪日します。
大阪の空港で、寡黙な編集者、溝口健三(伊原剛志)に出迎えられ、
数日間通訳と案内をしてもらうことに。
シドニは家族を亡くし天涯孤独。
喪失の闇から救出してくれた夫のおかげで「影」を執筆できた、と語ります。
しかしその夫もまた、事故で亡くなったところだったのです。
そんなわけで、この訪日もあまり気が進むものではなかったのですが・・・。
溝口に案内されながら京都、奈良、直島・・・と各地を巡るうちに、
シドニの前に亡き夫、アントワーヌ(アウグスト・ディール)の幽霊が現れるようになります。
夫を亡くして、失意の底から立ち直れずにいたシドニ。
日本に来てから、夫の幽霊が現れ、話すらもできるようになります。
地元フランスではそんなことはなかったのに・・・。
溝口は言う。
日本では、幽霊の姿を見ることができる人が多い、と。
う~む、そのあたりからちょっと首をひねりたくなってきましたが・・・。
なんというか本作は、欧米の人が日本のエキゾチックな情緒とか神秘性とかに
魅力を感じる方が見るべき作品なのでしょうね。
当の日本人からすると、なんだかなあ・・・という感じ。
あの極端な欧米から見た日本のイメージ、フジヤマとかゲーシャとか、
そういう描き方はされていないものの、やはり日本人が見るとピンとこない。
ホテルの人たちの応対とか、描かれる現代の日本文化は
概ね不自然なところはなかったのですが・・・。
そもそも桜の季節の京都なんて、観光客でごった返していて、
のんびり歩いてなどいられないのでは・・・?
女性が持つハンドバッグまで、預かって持とうとする溝口も相当変なヤツ・・・。
日本人がみんなそうだと思われちゃうじゃないの。
<シアターキノにて>
「不思議の国のシドニ」
2023年/フランス・ドイツ・スイス・日本/96分
監督:エリーズ・ジラール
出演:イザベル・ユペール、アウグスト・ディール、伊原剛志
現代の日本描写度★★★★☆
満足度★★★☆☆
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