映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

RUN ラン

2023年05月10日 | 映画(ら行)

献身的で信頼できる母が・・・

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郊外の一軒家で、母ダイアン(サラ・ポールソン)と二人で暮らすクロエ(キーラ・アレン)。

クロエは生まれつきの慢性の病気により、体が弱く、車椅子での生活を送っています。
でも、前向きで好奇心旺盛なクロエは、
大学への進学を望み、今、自立しようとしているところ。
そしてクロエの体調や食事を管理し、後押ししてくれる母、ダイアン。

しかし、最近母が差し出す薬にクロエは違和感を覚えます・・・。

少し前に見た作品「MOTHER」同様に、
これはグレートマザーすなわち「毒母」を描くホラー作品なのでした。

しかし、ダイアンは表向きそれとは全く違って、実に献身的でやさしい母なのです。
一番身近でやさしく、信頼できるはずの母。

ところがその母が隠し持っていた悪意・・・! 
いえ、本人にとっては悪意ではないのでしょう。
いつまでも娘を手の届くところに置いて、そのすべてを掌握しなくては気が済まない、
自分の意に反することは少しでもさせたくない・・・。
自分の支配下にあって過ごすことこそが娘の「幸せ」だと心底思っている・・・。

このことは、クロエが生まれたときに端を発するのです。
クロエは瀕死の状態で生まれたので・・・。
がしかし、それにも衝撃の事実が隠されていたのでした。

 

クロエの抱えている病が凄まじいのです。
不整脈、喘息、糖尿病、そして足のマヒ・・・。
毎日大量の薬を飲みます。
でもそれは本当に「正しい」薬なのか?

終盤、クロエは自室に監禁状態となってしまうのですが、
車椅子での生活は、通常の室内がとてつもない障害だらけの場所に変貌します。
しかしあきらめない強い心を持つクロエの健闘が、実に涙ぐましい。

恐くて壮絶なドラマでした。

 

「RUN ラン」

2020年/アメリカ/90分

監督:アニーシュ・チャガンティ

出演:サラ・ポールソン、キーラ・アレン

 

毒母度★★★★★

恐怖度★★★★☆

満足度★★★.5



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