映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

「星降り山荘の殺人」 倉知 淳

2008年12月18日 | 本(ミステリ)
星降り山荘の殺人 (講談社文庫)
倉知 淳
講談社

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ベタな「雪に閉ざされた山荘」が舞台の本格ミステリです。
つまり、関係者一同、雪害のため山荘から出るに出られない。
外界とも音信不通。
そんな中で1人、また1人と殺されていく客人。
犯人はこの中の誰かでしかありえない。
次の犠牲者は誰? 
そして真犯人は・・・・?
という、推理小説ではとても良くあるパターンなのですが、
だからこそ、作者の力量が問われるのであります。

ここでの探偵役は、自称スターウォッチャーの星園詩郎。
・・・名前だけ見てもキザですね。
まさに、超イケメン、女性を魅了するソフトな語り口で、
星座に関するロマンを語る・・・、今売り出し中の人物。
この星園の新米マネージャーとなったのがワトソン役の杉下和夫で、
このストーリーの語り手です。

和夫は初め、この星園のキザさかげんにげんなりし、
すっかり意欲をなくすのですが、
実は星園はある目的のため、大金を稼がなくてはならず、
心ならずもキザを装っていることがわかる。
そうとわかれば、聡明なこの男にしっかりついていきます!
ということで、和夫はやる気を見せる。

山荘に集まったのは、この二人の他、
不動産会社社長とその部下。
売れっ子女流作家とその秘書。
怪しげな論を繰り広げるUFO研究家。
そしてお気楽な二人の女子大生。
山荘の一夜が明けてみれば、まず殺されていたのは不動産会社社長。
そして、その次の夜にもう1人・・・。
果たして、星園の繰り広げる推理はいかに・・・。


う~ん、しかしですよ。
このストーリーには罠があります。
とんでもない落とし穴がありますので、
最後まで気を抜きませんよう・・・。

こういうどんでん返しが本格推理の面白いところなんです。
久しぶりに、本格らしい本格を読んだ感じです。

満足度★★★★☆



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