映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

ノートルダム 炎の大聖堂

2023年04月10日 | 映画(な行)

世界的遺産を守れ!

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2019年に起きた、パリ、ノートルダム大聖堂の火災を題材としたものです。

2019年4月15日、ノートルダム大聖堂で警報器が火災を検知するのですが、
関係者は誤報と思い込み、その間にも火は燃え広がっていきます。
天井裏で発生した炎は、聖堂上部から煙を噴き上げるのですが、
当のその内部にいた人々は気づかず、遠くから煙を発見した人が
SNSにその写真を載せるなどして、思わぬ所から徐々に火災の情報が広がっていきます。

そんなことで、消防隊が到着した頃には、大聖堂上部は激しく炎上。
そして、貴重なキリストの聖遺物は、管理が厳重すぎるあまり、
持ち出しに困難を極めます。

刻一刻と燃え広がる炎。
建材に鉛が使用されていて、火災の熱で溶けた鉛が
川のようになって流れ落ちてくるなどというシーンが恐い! 
一部の建材などが崩落。
飛び散る火の粉。
渋滞で消防車は進まない。
野次馬でごった返す街並み。
狭いらせん階段を重装備で登る消防士達・・・。

緊迫感と混乱、そんな様子がリアルに現されています。
なにしろ794年前にできたという建物、これを失えばその損失は計り知れません。
国宝どころではない、世界にとっての損失となってしまいます。
それを守るために、最後の手段の決死的活動に、名乗りを上げる消防士達。
こうした人々の奮闘が胸を熱くします。

結果的には、死者ゼロで鎮火を迎えることができたというのもスバラシイ!

この撮影には大規模なセットを炎上させた映像とVFXを融合させ、
また当時のSNS映像などからマクロン大統領の姿も所々に登場、
圧倒的なリアリティを生み出しています。
本来IMAXによる撮影だそうですが、私が見たのはミニシアター。
というか、うちの地方ではIMAXのシアターではやっていません。
残念・・・。
下手なSF作品よりもこれをぜひ上映すべきなのにな。

 

<シアターキノにて>

「ノートルダム 炎の大聖堂」

2021年/フランス・イタリア/110分

監督:ジャン=ジャック・アノー

出演:サムエル・ラバルト、ジャン=ポール・ボーデス、ミカエル・チリ=アン

 

緊迫感★★★★★

満足度★★★★☆

 



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