映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

きいろいゾウ

2013年08月27日 | 映画(か行)
本当に大事なことは口に出せない


* * * * * * * * * *


互いに「ムコさん」(向井理)、「ツマ」(宮崎あおい)と呼び合う田舎暮らしの若夫婦。
ふたりは互いをよく知らないまま結婚しました。



ツマは天真爛漫、エキセントリックで
草木や動物と話ができたりします。
まあ、それでちょっぴりファンタジー仕立て。
幼いころ満月の明るい夜に、きいろいゾウが来て、
体の弱い彼女を空を飛んでアフリカへ連れて行ってくれた。


ムコの方は売れない小説家。
生活の足しに老人介護施設で働いていたりします。
何故か背中に大きな鳥のタトゥ。
(うわー、向井理にタトゥ、似合わない~)
いやしかし、これには深いわけがあるので、ガマン、ガマン・・・。


何の杞憂もなく幸せそうな二人でしたが・・・・。
ある日ムコ宛に届いた一通の手紙から、二人の気持ちが揺らぎ始めます。
実は互いのことはほとんど知らないことに気付いて狼狽し・・・。



ファンタジックな割に、二人の気持ちのすれ違う最大の山場、流しの蛇口の場での決闘(?)は
なかなか鬼気迫るものがありました。

本当に大事なことは口に出せなくなる。
そういうのはなんとなくわかります。



さてとそれでまあ、納得できる作品ではありながら、
あまり好きにはなれませんでした。
向井理さんは大好きなんですけどねえ・・・。
このツマ、「女」の女らしいところがあからさま過ぎ。
満月の夜、生理になると感情の起伏が激しくなっちゃう。
笑っていればたしかにカワイイけど、スネルは怒るは泣くは・・・、
私は自分が女だからなのか、こういうのは生々しすぎて苦手。
男性はこういうのを「かわいい」と思えるのでしょうか? 
とすれば相当包容力があって、結構なことです。
でもたいていは退いてしまうんじゃないかなあ・・・。
妙なところで感が鋭くて繊細で・・・う~ん、苦手だ・・・。
それをファンタジックでくるんであるのが余計にイヤだ。

という、私の全く個人的感想でした。



2013年/日本/131分
監督:廣木隆一
原作:西加奈子
出演:宮崎あおい、向井理、緒川たまき、リリー・フランキー
「きいろいゾウ」
ほんわかさに隠されたリアル★★★★☆
満足度★★☆☆☆



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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
キャスティング (パール)
2013-08-27 19:47:16
>妙なところで感が鋭くて繊細で・・・う~ん、苦手だ・・・。
 それをファンタジックでくるんであるのが余計にイヤだ。

原作は読んでいますが、映画は観ていません。でも、さすがたんぽぽ様!。映画の感じがとてもよく伝わってきました。

原作を読んでいる間、ツマさんの気持ちのゆらぎが私の気持ちまで小さく揺らし、不安定なまま本を読み続けました。
このゆらぎが、微かに軋むような音を立てている感じ…
向井さんには共鳴しないのではないかなと思いますし、宮崎さんは自ら軋む音を出してしまったのではないかなと…
キャスティングも、う~んと思うのですが、原作をなぞっただけの脚本だと、誰が演じても、残念な映像になったのではないかとは思います。

すみません。分かりにくいひとりよがりなコメントでした。
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辛辣すぎ (たんぽぽ)
2013-08-27 21:16:53
>パールさま
いつになく辛辣な言い方になってしまったなあと、ちょっと反省しておりますが、好きなキャストの割になんだか共感しづらかったなあという思いが残ります。
では、誰なら良かったのか・・・。うーん、確かにあまりピンと来ませんね。
田舎でのんびりした暮らし・・・そこまではいいと思ったんですけどねえ。
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ゾウ (iina)
2013-09-19 11:36:04
iinaのブログに読者登録いただき、ありがとうございました。iina宅では、 (たんぽぽ)さんが第1号でした。

おそくなりましたが、記念に「笑撃ゾウ」をTBさせていただきました。

この「きいろいゾウ」を見ていませんが、お許しください。

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ゾウ! (たんぽぽ)
2013-09-19 19:50:08
>iinaさま
わざわざコメントありがとうございます。
いつも楽しく拝見させて頂いています。第一号とは光栄な・・・。でも、登録したおかげで、見逃しがなくなって
良かったなと思います。
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