映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

ミックス。

2018年06月07日 | 映画(ま行)

卓球を続ける意味

* * * * * * * * * *

幼い頃母にスパルタで卓球を叩き込まれた多満子(新垣結衣)は、
天才卓球少女として将来を期待されていました。
しかし本人はそのきつい練習が苦痛で、
次第に思うように勝てなくなっていくのにも嫌になっていました。
母の死によりようやく解き放たれた多満子は、
以後卓球からキッパリと離れてしまいます。
さて長じた後、会社で失恋をした多満子は、
会社をやめて故郷の街に帰ってきます。
そして、赤字経営の実家の卓球クラブを立て直すため、
全日本卓球選手権の男女混合ダブルス(ミックス)部門に出場することを決意。
クラブに通う落ちぶれたボクサー萩原(瑛太)とコンビを組み、
十数年ぶりに卓球と向き合うことになりますが・・・。

さすが古沢良太さんによる脚本で、単なるスポーツ根性モノとは一線を画した物語。
このうらぶれた卓球クラブに集まったのが、なんともうらぶれた人物たちなのです。
不登校の高校生。
息子を亡くし生きる意味を見失っている夫婦。
自分らしさを見失っている元ヤンのセレブ妻。
そして、事件を起こし妻子に逃げられた男と、失恋に落ち込む女。



こんなものなので、はじめての選手権ではボロ負けです。
これでは何のためにうやっているのかわからない。
エンジンがかかるのはその後なんですね。
それぞれがお互いと向き合って、理解していく。
そして卓球を続ける意味を共有していく。
このあたりは、それぞれの卓球への思いが伝わってとてもいい。



そして最後の最後には、多満子は亡き母の思いと向き合うことになるのです。
なるほど、そこが一番の問題なのでした。
よくできているなあ・・・。

多満子の恋敵というか恋人を奪ったのは、あら、永野芽郁さんでした。
ちょい出でしたがスパルタ母ちゃんの真木よう子さんも面白いし、
謎の中国人蒼井優さんにも笑ってしまいます。
笑って楽しめる一作。



ミックス。 通常版DVD
新垣結衣/瑛太
ポニーキャニオン



<J-COMオンデマンドにて>
「ミックス。」
2017年/日本/119分
監督:石川淳一
脚本:古沢良太
出演:新垣結衣、瑛太、瀬戸康史、永野芽郁、蒼井優、真木よう子
それぞれの卓球への思い度★★★★★
満足度★★★★☆

 



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