映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

ラスト サムライ

2011年04月12日 | 映画(ら行)
土着の文化 VS 近代化



            * * * * * * * *

公開時に見たきりだったので、改めて見ました。
トム・クルーズの武士姿、刀さばき。
カッコいいですね。
改めてまたそう思いました。

1800年代後半。
オールグレン大尉は南北戦争や、先住民との戦いの明け暮れで
心が傷つき、アルコールに浸り、身を持ち崩していました。
そんな時、近代化を目指す日本の軍隊の教官として、日本に招かれます。
彼は、近代化の波に反し“武士”としての生き方を貫こうとする勝元と出会い、
しばらく彼の元で暮らします。
実際には捕虜の身なのですが、
オールグレンは村を自由に歩き回り、
武士道、剣術、日本語などを学んでいきます。

アメリカにおける開拓と先住民との軋轢。
結局先住民を抹殺し滅ぼしてしまったアメリカの近代。
近代化が恐ろしいスピードで推し進められる日本。
古来守られてきた日本の心、武士道。
それが近代化の波に飲み込まれていこうとしていること。

土着の歴史・伝統VS近代化という構図が
日米二重合わせになっているのです。
近代化がすべてなのか。
自国の伝統・文化は尊く、守るべき物なのではないか。


アメリカから見た日本の精神性、それがよく表されていますね。
異国人に対して寡黙。
ひっそりとした食事風景・・・。
うまく日本人の特徴が表されています。
武士道がかっこよく表されすぎているキライもありますが。


いろいろ見たトム・クルーズ出演作で、一番カッコいいのがこの作品。
私はそう思います。
この作品中重要な役割の少年役、池松壮亮くん。
最近人気急上昇中ですね。
すばらしい演技です。
トム・クルーズと息もぴったり。
そして何より、渡辺謙さんの存在感が光る。
さすがです。
ラスト付近の戦闘シーンがやや冗長に感じられましたが・・・、
米国が本気でホンモノに近い日本を描くようになった
エポック的作品かもしれません。

ラスト サムライ [DVD]
エドワード・ズウィック,マーシャル・ハースコビッツ,ジョン・ローガン
ワーナー・ホーム・ビデオ


「ラスト サムライ」
2003年/アメリカ/154分
監督:エドワード・ズウイック
出演:トム・クルーズ、ティモシー・スポール、渡辺謙、真田広之、小雪、池松壮亮


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